先日、インドの人気女優が27歳で腎不全のため逝去したというニュースが流れていました(『Actress Mishti Mukherjee passes away due to kidney failure; reports cite keto diet to be the reason』 ETIME, Oct 5, 2020)。
この女性は、ケトン食にトライしていたことで、腎臓機能不全に陥ったようです。
インドは伝統的に精製されたバター(飽和脂肪酸)である「ギー(ghee)」を食べていましたが、最近のギーには植物油脂(プーファ)を混ぜた紛い物が市場に溢れています。
「ギー」として市場に出回っているものも注意が必要です。
ちなみに、インド人の若い女性は世界でも最も美しいといわれています。しかし、20歳後半にもなると、見違えるほどぶくぶくと太るようになって、別人になる人が少なくありません。
その原因はベジタリアン(これもプーファ過剰です)が多いことと植物油脂過剰のギーの摂取にあると考えています。
おそらく、この女性もプーファリッチのギーを過剰摂取していたのだと思います。
拙著『オメガ3の真実』でもお伝えしているように、プーファは体内に入ると、速やかに酸化されて、猛毒の過酸化脂質(アルデヒド)を生成します。
この過酸化脂質が、腎臓(特にミトコンドリア)にダメージを与えるのです(Diabetes. 2012 Aug;61(8):2074-83)。
このプーファの過酸化脂質によるダメージのことを「酸化ストレス」と呼ぶことを復習しておいてください。
もちろん、プーファによって、腎臓だけでなく、全身の臓器もダメージを受けますが、この女性は腎臓機能が著しかったのでしょう。
もちろん、過去記事でもご紹介したように、新型コロナウイルス感染症の重症化もプーファの摂取量と相関しています(他のエビデンスを含めると因果関係に近い)。
拙著『慢性病は現代食から』や過去記事にも詳述しましたが、ケトン食などの高脂肪食(現代では高プーファ食)の危険性は、まだあまり認知されていないようです。
脂肪は三大栄養素の中でも、付随的なものであることをお伝えしています。
日本ではようやく下火になってきた糖質制限食なるものが、ケトン食や高タンパク食といった極端な食事内容の原因になっていました。
現代社会では、「何を食べるのか」は、生命力を発揮するか、無駄にしてしまうかの分水嶺となっているのです(^_−)−☆。