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『なぜ嘘つきは嘘をつくのか?〜真実が見えなくなるカラクリ〜』

『なぜ嘘つきは嘘をつくのか?〜真実が見えなくなるカラクリ〜』

 

⭐️なぜエビデンスや真実が広まらないのか?

私たちは今、誰もが簡単に情報を発信できるSNS時代を生きています。しかし、声が大きく、目立つ嘘が次々と広がっています。

 

 

 

驚くべきことに、嘘を広めているのは一般人だけでなく、権威ある学者や専門家、有名人でさえ含まれています。彼らはなぜ嘘をつき続けるのでしょうか?それは単純に、自分の立場や利益を守るためです。

 

 

 

「こんなに明らかな嘘、誰も信じないだろう」と思うかもしれませんが、歴史は私たちにまったく逆の事実を教えています。過去を振り返れば、最もあり得ないような嘘ほど人々を支配するための強力な武器として機能してきました。

 

 

 

誰もが薄々気づいているのに、誰も声に出さない真実。みんなが「おかしい」と思いながらも、従ってしまう流れ。これは偶然ではありません。あなたの心を巧妙にコントロールする「見えない檻」が、私たちの周りに張り巡らされているのです。

 

 

 

権力者が最も重視するのは、人々の心を支配することです。

 

 

 

そのためには、「何が真実か」を伝えるのではなく、「何を真実だと思わせるか」が鍵となります。事実やエビデンスなど重要ではありません。権威や影響力のある人物が嘘を広めることで、多くの人がその嘘を「真実」と信じ込みます。

 

 

 

 

⭐️なぜ「声の大きな人」が権力を握るのか

学校のクラスを思い出してください。一番うるさい子が、なぜかクラスの中心にいませんでしたか?これと同じ現象が、大人の世界でも起きています。テレビやSNSで声高に叫ぶ人ほど注目を集め、影響力を持ってしまう(有名になる人には必ずバックに権力者が編成した集団、団体がついています)。

 

これは心理学の「単純接触効果」(Mere Exposure Effect)と呼ばれる現象です。

 

 

 

繰り返し見聞きするものに、私たちは無意識に親しみを感じ、信頼してしまうのです。研究によれば、同じ情報を繰り返し聞くだけで、その情報が真実であると錯覚してしまう「錯覚的真実効果」(Illusory Truth Effect)が働きます。

 

 

参考文献

・ Hasher, L., Goldstein, D., & Toppino, T. (1977). Frequency and the conference of referential validity. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 16(1), 107-112.

 

・Dechêne, A., Stahl, C., Hansen, J., & Wänke, M. (2010). The truth about the truth: A meta-analytic review of the truth effect. Personality and Social Psychology Review, 14(2), 238-257.

 

 

⭐️権威への盲従:白衣を着れば医者に見える心理

人間には「権威バイアス」(Authority Bias)という心理的な弱点があります。肩書きや権威のある人の意見を、内容を検討せずに信じてしまう傾向です。

 

 

 

これは進化的には生存に有利でした。経験豊富な長老の言うことを聞いた方が、危険を避けられたからです。しかし現代では、この本能が悪用されています。「専門家」「学者」という肩書きさえあれば、どんな嘘でも通ってしまう社会になっているのです。

 

 

 

この仕組みの最前線で働いているのが、SNSやメディアに登場する専門家や有名人です。なぜなら、多くの人が「権威」という看板に弱いことを彼らはよく知っているからです。

 

 

参考文献

・Milgram, S. (1963). Behavioral study of obedience. Journal of Abnormal and Social Psychology, 67(4), 371-378.

 

・Blass, T. (1999). The Milgram paradigm after 35 years: Some things we now know about obedience to authority. Journal of Applied Social Psychology, 29(5), 955-978.

 

 

⭐️嘘(プロパガンダ)は真実と正反対なほど効果がある

 

プロパガンダ(嘘の宣伝活動)が最も効果を発揮するのは、その嘘が真実から最もかけ離れている時です。

 

 

 

明らかな嘘を強要されると、人は真実を口にする勇気を失い、自分の道徳心すら見失ってしまいます。例えば、「糖質は悪」、「飽和脂肪酸は悪」、「地球温暖化」、「コロナ問題」などはその典型例でした。

 

 

 

「2+2=5」や「雪は黒い」という嘘を、権力者が国民に言わせる。誰もが間違いだとわかっているのに、従わざるを得ない状況を作る。これが最も効果的な支配手法なのです。

 

 

 

人々が明らかな嘘に同調すると、自らその「嘘」に加担することになり、いつしか自分自身がその「悪」の一部となります。そして、嘘に抵抗する人々は攻撃され、社会から排除される運命にあります。

 

 

 

こうして、多くの人々は去勢された羊の群れのように嘘に従い、社会は容易に支配されるようになるのです。

 

 

 

このように、プロパガンダの目的は単なる「説得」や「情報提供」ではありません。人々の心を壊し、自尊心を奪い、支配しやすくすることが本当の狙いです。そのために、真実の反対側にある嘘のほうが強力な武器となるのです。

 

 

 

⭐️人気のあるものに真実はない

人間は群れる動物です。「みんながやっているから正しい」という集団同調圧力(Conformity Pressure)に弱い生き物です。アッシュの同調実験で明らかになったように、明らかに間違った答えでも、周りの人がそう言えば従ってしまうのです。

 

 

したがって、歴史が証明するように、人気のあるものの中には真実のかけらもないことがお分かりになると思います。

 

 

 

参考文献

・Asch, S. E. (1956). Studies of independence and conformity: I. A minority of one against a unanimous majority. Psychological Monographs, 70(9), 1-70.

 

 

 

⭐️それでも嘘は続く

ある著名な言葉があります。「彼らは嘘をついていることを知っている。私たちも彼らが嘘をついていることを知っている。さらに彼らは私たちが嘘を知っていることも知っている。それでも嘘は続くのだ。」まさにこれが現代の私たちが置かれた状況です。

 

 

 

もはや多くの人々は真実を求めることを放棄し、耳障りの良い嘘の中で心地よく暮らすことを選んでいます。

 

 

まるで崖に向かって一斉に飛び込むレミングの群れのように、真実から目を背けることが常態化しています。

 

 

 

⭐️まずは箱の外から現実を見る

現代社会は、表面的には自由に見えます。しかし実際には、巧妙な心理操作によって「見えない檻」に閉じ込められているのです。

 

 

 

私たちが生きる社会は、権力者が巧妙に築き上げた「認識の牢獄」のようなものです。

 

 

そこから抜け出すためには、まずその牢獄の存在を理解することが必要です。

 

 

 

そして、この檻から出るには、勇気が必要です。周りと違う意見を持つ勇気、権威に疑問を持つ勇気、そして真実を求め続ける勇気です。

 

 

 

でも安心してください。一度この仕組みに気づけば、もう二度と騙されることはありません。あなたは自分の頭で考え、自分の価値観で判断できる、真に自由な人間になれるのです。

 

 

 

 

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