『フルーツジュースで太る?〜リアルサイエンスシリーズ』

 

砂糖悪玉説が崩壊した現在、まだ継続しているプロパガンダがあります。

 

 

それが、[フルクトース(果糖)悪玉説]です。

 

 

糖質制限なる”ビジネス”に手を染めた利益相反の一般健康ポップカルチャーは話になりませんが、現代医学でも“彼ら”のビジネスおよびアジェンダのプロパガンダのために、「フルクトース悪玉説」を必死で流布しています。

 

そしてフルクトースはショ糖の成分ですが、フルーツがその供給源として槍玉に挙げられています。

 

「フルーツジュースは肥満の原因」と根拠もないデマを流している動画や記事が多いことは、以前からたくさんのメッセージを頂いていました(エビデンスと共にその人間が巧妙にデマを流す理由・背景をしっかりみましょう。)。

 

その理由は、フルーツジュースには加工品のジュースやソーダ飲料よりもショ糖(グルコース+フルクトース)が多いからといいます。

 

 

これは、ショ糖がエネルギー代謝を高める物質であることを理解していないために起こる「迷信」の一つです。

 

さて、本当にフルーツあるいはフルーツジュースで太るのでしょうか?

 

いくつかのヒトの疫学的調査を見ていきましょう。

 

 

一つ目は、フルーツ全体を食べる量が増えるほど、過体重や肥満が減少するというエビデンスです。この研究では、野菜ではその肥満減少効果がなかったことも併せて示されています(Whole Fruits and Fruit Fiber Emerging Health Effects. Nutrients. 2018 Dec; 10(12): 1833)。

 

フルーツの王様といえるショ糖濃度が高いマンゴー。

 

最新の研究でも、マンゴーを定期的に食べている人は、そうでない人と比較してウエスト周り、体重、ボディ・マス指数(BMI)が低い傾向が出ています(Mango Consumption Is Associated with Improved Nutrient Intakes, Diet Quality, and Weight-Related Health Outcomes. Nutrients. 2022 Jan; 14(1): 59)。

 

 

フルーツ、ショ糖やハチミツの主成分であるフルクトース(果糖)の摂取のランダム化比較試験では、6週間で中等度のフルクトース摂取者(50–70 g/day)は、摂取量の低い人たち(<20 g/day) よりも脂肪減少(4.19kg vs 2.83kg over 6 weeks)が認められましたThe effect of two energy-restricted diets, a low-fructose diet versus a moderate natural fructose diet, on weight loss and metabolic syndrome parameters: a randomized controlled trial. Metabolism. 2011 Nov;60(11):1551-9)。

 

たった半年でこの差が出たのですから、フルクトースの摂取量が高い人は、年月が経つほど糖質制限者とはその差は歴然としてくるでしょう(糖質制限を厳格にやると不健康な痩せになる(^_−)−☆)。

 

 

 

インシュリン感受性が低下している糖尿病の人(2型糖尿病)でも、フルクトースはインシュリンを必要としないため、細胞の中に入り、糖のエネルギー代謝を高めるため、フルーツは根本治療薬となります(Carbohydrate-induced thermogenesis in liver cirrhosis: glucose vs. fructose. Nutrition. Nov-Dec 1994;10(6):521-6)。

 

 

もちろん、フルクトースやグルコース単独よりも、フルーツ、ショ糖やハチミツのように、両方が含まれている方が、より糖のエネルギー代謝がより高まることは、拙著『糖尿病は砂糖で治す』『自然治癒はハチミツから』『ハチミツ自然治療の最前線』等の中でも繰り返しお伝えしていることです(^_−)−☆(Different Effects of Various Carbohydrates on the Metabolic Rate in Rats. Ann Nutr Metab. 1982;26(1):66-72)。

 

フルクトースが体に悪いというデマは、不適切な動物実験の結果を用いていることを再度『自然治癒はハチミツから』をしっかり読み込んでいただければと思います(^_−)−☆。

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