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『「甘さ」を敵にするのはお門違い』

『「甘さ」を敵にするのはお門違い』

〜糖悪玉説の欺瞞を暴く6か月臨床試験の衝撃〜

 

甘い物を控えれば痩せる、健康になる、糖尿病を防げる。この呪文のような教えは、まるで水戸黄門の印籠のごとく、栄養学の世界で誰もが頭を垂れる絶対命題として君臨してきました。権力者が運営する世界保健機関(WHO)をはじめ、あらゆる公的機関が「甘い物を減らせ」と声を揃え、私たち一般人は疑うことすら許されない空気の中で暮らしてきたのです。

 

 

 

砂糖あるいは果糖悪玉説を生命の仕組みから説明し、かつエビデンスを示しても、組織的な攻撃を受けます。真実や事実さえ押さえ込むのですから、権力者とは恐ろしいものです。

ところがこの権力者が流布する鉄壁のドグマに真正面から冷水を浴びせる大規模な最新の臨床試験が、栄養学の権威ある学術誌に掲載されました。オランダのワーゲニンゲン大学(Wageningen University)と英国のボーンマス大学(Bournemouth University)が共同で行った「スイート・トゥース・トライアル(Sweet Tooth Trial)」と呼ばれる6か月間の無作為化比較試験です。この研究が突きつけた結論は、再度栄養学界の常識を根底から揺さぶるものでした[1]。

 

 

 

研究者たちは180人の参加者を3つの群に分け、一方の群には強い甘さの食事を、もう一方には控えめな甘さの食事を、そして最後の群には平均的な甘さの食事を6か月にわたって摂ってもらいました。甘味の源は砂糖、果物などに自然に含まれる糖、そして低カロリー甘味料と多岐にわたります。これは料理でいえば、砂糖とハチミツと人工甘味料を同じ「甘さ」というひとつの土俵に上げて比較したようなもの。

 

 

 

開始から1か月、3か月、6か月と節目ごとに、甘い物への嗜好、味覚の感じ方、体重、そして血液や尿の中の糖尿病リスクや心血管系リスクに関わる各種マーカーを測定しました。

結果は栄養学の教科書を書き換えかねないものでした。6か月間、甘い食事を浴びるように食べ続けた群でも、甘味への嗜好は少しも強まらなかったのです。逆に、甘さを削ぎ落とした食事を続けた群でも、甘い物への欲求は薄れませんでした。

 

 

 

研究責任者のキャサリン・アップルトン教授(Katherine Appleton)は「人間は生まれつき甘さを愛する生き物であり、WHOをはじめとする機関が甘さそのものを減らせと勧告してきましたが、我々の結果はその助言を支持しません」と断じています。さらに驚くべきことに、試験終了後、参加者は自然と元の甘さレベルへと戻っていきました。まるでゴムひもを引っ張っても手を離せば元に戻るように、味覚の嗜好はそう簡単に人為的に付け替えられるものではなかったのです[1]。

 

 

 

そもそも「甘い」ことと「砂糖が多い」ことは、似て非なる別物です。現代のファストフードやジャンクフードに用いられている甘味の正体は、決して砂糖(ショ糖)ではありません。砂糖はコストが高いため、産業界は真っ先にこれを切り捨て、代わりにブドウ糖果糖液糖(異性化糖、high-fructose corn syrup)やアスパルテーム、スクラロースといった人工甘味料を大量投入しているのが実態です。

 

 

つまり、ハンバーガーや清涼飲料水を口にして体調を崩す人々が摂っているのは、天然由来の砂糖などではなく、工業的に合成された液糖(遺伝仕組み換えコーン栽培に補助金が入っている)、プーファや人工添加物のカクテルなのです。この事実を混同したまま「甘い物は悪」と砂糖などの自然の甘味料を一括りにする議論は、まるで農薬・殺虫剤まみれのリンゴと自然栽培のリンゴを「同じリンゴだから同じ健康効果」と言い張るよりもさらに乱暴な話です。

 

 

 

実は2022年に発表された、これまでの複数の研究をまとめて検証した論文(システマティックレビュー)でも、『甘い物をたくさん食べると、もっと甘い物が欲しくなる』という関係は、はっきりとは証明されていないと結論づけられていますり[2]。そして過去記事でご紹介した2026年に発表された別の同様のレビュー論文でも、やはり同じ結論が繰り返し確認されているのです[3]。つまり、砂糖悪玉説を頑なに喧伝する人間の言うような、「甘いもの中毒」、ましてや「砂糖中毒」といったものなど存在しません。

 

 

 

ここで断固として正しておかなければならない、もう一つの深刻な誤解があります。それは、砂糖(ショ糖)そのものを敵視する風潮です。実のところ、砂糖はブドウ糖と果糖が手を取り合った、糖のエネルギー代謝を力強く後押しする優れた食材なのです。ショ糖に含まれる果糖はインスリンを介さずに肝臓で速やかに代謝され、ブドウ糖代謝のリズムを整える触媒として働きます。さらに砂糖の摂取は甲状腺ホルモン(T3)の産生を促し、基礎代謝を高め、コルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンの分泌を鎮める効果まで持っています。

 

 

 

2008年の総説論文では、果糖が肝臓のブドウ糖代謝を促進し、血糖コントロールを改善する触媒的作用を持つことが報告されており[4]、砂糖悪玉説とは真っ向から対立する所見が古くから積み上げられているのです。

 

 

 

さらに世間で悪名高い「ブドウ糖果糖液糖あるいは果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)」の害についても、その正体は果糖そのものではなく、液糖という工業製品に潜む複数の毒物なのです。第一に、異性化糖の製造過程では水銀を用いた苛性ソーダが使用されるため、重金属の混入が繰り返し報告されており、2009年に発表された分析研究では、市販の異性化糖サンプルの実に約半数から検出可能なレベルの水銀が検出されたと報告されています[5]。

 

 

 

第二に、異性化糖の原料となるトウモロコシは、その9割以上が遺伝子組換え作物(Roundup Ready corn)であり、除草剤グリホサートを浴びせられて育ちます。グリホサートは水洗いや加熱でも分解されず、加工食品の中に残留し続けることが2024年の総説論文で詳細に示されています[6]。液糖という「甘い仮面」の下には、腸内細菌叢を破壊し発がん性まで疑われる農薬が潜んでいるのです。

 

 

 

第三に、異性化糖には終末糖化産物(AGEs、advanced glycation end products)の前駆体であるメチルグリオキサール(methylglyoxal)などの反応性ジカルボニル化合物が高濃度で含まれていることが、2019年の総説論文で明らかにされており、糖尿病用のダイエット飲料と比較して異性化糖含有飲料のメチルグリオキサール濃度が著しく高いことが報告されています[7]。AGEsは血管を硬化させ、慢性炎症を引き起こし、老化を加速させる分子的な「錆」のような存在です。つまり異性化糖とは、水銀・グリホサート・AGEs前駆体という「毒の三重奏」を体内に運び込む工業製品です。果糖の問題の「すり替え」に利用されているのです。

 

 

 

これらの事実を踏まえれば、清涼飲料水やファストフードを大量に摂取した人が体調を崩すのは、砂糖のせいでも果糖のせいでもなく、液糖という「乗り物」に紛れ込んでいる水銀、グリホサート、そしてAGEs前駆体という毒物と、それを詰め込んだプーファあるいは添加物まみれの超加工食品というパッケージの問題であることが浮き彫りになります。真犯人は液糖と人工甘味料、そしてそれを包むプーファなど超加工食品の中にひっそりと潜んでいるのです。

 

 

 

いまだに世間を席巻している「果糖悪玉説」も同様に、砂上の楼閣に過ぎません。ラットに餌のカロリーの60%を果糖で与えるような、自然界ではまず起こり得ない極端な条件で得られた結果を、リンゴやハチミツを食べる人間の体に重ねるのは、たとえるならば「水も飲み過ぎれば水中毒で死ぬから、水は毒だ」と結論づけるのと同じ暴論です。

 

 

 

2018年に出版された総説論文では、通常の食事レベルの果糖摂取は肝臓の脂肪合成にほとんど寄与しないこと、そして果糖に関する多くの否定的知見が非生理的な過剰投与実験に依拠していることが明確に示されています[8]。果糖悪玉説とは、非生理的・非現実的な実験の中でしか成立しない虚構だったのです(『奇跡のハチミツ自然治療』に多数のエビデンス掲載)。

 

 

 

こうして俯瞰してみると、公衆衛生の指導者たちが標的とすべき相手を完全に取り違えてきたことが浮かび上がります。敵は「甘さ」でもなければ「砂糖」でも「果糖」でもありません。真に警戒すべきは、超加工食品という現代のパンドラの箱に詰め込まれたプーファ(植物油、PUFA)、乳化剤、着色料、そして液糖に混入した水銀・グリホサート・AGEs前駆体・人工甘味料といった、栄養学の光が届かない暗部に潜む物質たちなのです。2024年の解説論文では、現行の砂糖摂取ガイドラインが問題を過度に単純化し、超加工食品全体の害を見落とすという意図せざる結果を招いていることが指摘されています[9]。

 

 

 

今回の研究の著者たちも、公衆衛生機関に対して勧告の見直しを迫っています。アップルトン教授は「肥満を減らすために甘い食品を減らすという話ではない。健康問題は甘さの量ではなく、食品の質と加工度に関わるのだ」と明言しています。長年信じ込まされてきた「甘い物=悪」「砂糖=毒」「果糖=敵」という単純な三段論法は、精緻な臨床試験と生理学的な理解によってあっけなく崩れ去ります。

 

 

 

「自然の甘味料叩き」は、プーファ、ブドウ糖果糖液糖、人工甘味料などの人工の毒物に一般大衆の目を注視させないためのプロパガンダです。

 

 

 

私たちが本当に警戒すべきは、舌が感じる甘さ(最重要の味覚)でも自然界の砂糖、ハチミツやフルーツでもなく、その名を借りて食品全般に混入されている異性化糖、人工甘味料、プーファそして複数の人工添加物をてんこ盛りにした超加工食品なのです。

 

 

 

旬の果物やハチミツ、そして砂糖という糖のエネルギー代謝を支える最良の燃料を恐れて遠ざけるより、パッケージに包まれた工業製品という現代の落とし穴を見抜く目を養うこと。それこそが、権力者の意向に沿った「糖悪玉説」という古びた呪縛から解き放たれる第一歩となるでしょう。

 

参考文献

  1. The Sweet Tooth Trial: A Parallel Randomized Controlled Trial Investigating the Effects of A 6-Month Low, Regular, or High Dietary Sweet Taste Exposure on Sweet Taste Liking, and Various Outcomes Related to Food Intake and Weight Status. The American Journal of Clinical Nutrition 2026, 123(1), 101073
  2. Repeated exposure and dietary sweet taste liking, wanting and preference: a systematic review of the published literature. Appetite 2022, 175, 106057
  3. Effects of Non-Nutritive Sweeteners and Sweet Taste Exposure on Appetite, Energy Intake and Body Weight: A Narrative Review. Nutrients 2026, 18(11), 1647
  4. Catalytic effect of fructose on the metabolism of an oral glucose load in healthy men. British Journal of Nutrition 2008, 100(4), 749
  5. Mercury from chlor-alkali plants: measured concentrations in food product sugar. Environmental Health 2009, 8, 2
  6. Glyphosate as a Food Contaminant: Main Sources, Detection Levels, and Implications for Human and Public Health. Foods 2024, 13(11), 1697
  7. Advanced Glycation End Products and Risks for Chronic Diseases: Intervening Through Lifestyle Modification. American Journal of Lifestyle Medicine 2019, 13(4), 384
  8. Dietary fructose and the metabolic syndrome: a critical appraisal of the experimental evidence. Nutrients 2018, 10(3), 335
  9. The time has come to reconsider the quantitative sugar guidelines. Frontiers in Nutrition 2024, 11, 1490953

 

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