ヒトと猿の細胞をもった新種を作るのに成功したという論文が高級サイエンス誌『Cell』に発表されました(Chimeric contribution of human extended pluripotent stem cells to monkey embryos ex vivo
Cell. 2021 Apr 15;184(8):2020-2032.e14)。
これは、猿(カニクイザル)の受精卵(胚細胞)にヒトの人工[誘導]多能性幹細胞(iPS細胞) を注入した実験です。
この受精卵は試験管内(培養)で成長したといいます。
このように異種の細胞が混在している受精卵をキメラ細胞(chimera, カイミュラ)と呼びます。
これまでの研究で、すでにヒトの幹細胞をマウスや豚の受精卵に注入してキメラ細胞を作るのに成功しています(Nature. 2017; 550: 393-397)(Interspecies Chimerism with Mammalian Pluripotent Stem Cells, Cell. 2017 Jan 26; 168(3): 473–486.e15)。
今回、ヒトに近い猿で成功したのは初めてということのようです。
将来的にこの受精卵を成長させて、キメラ動物から臓器移植用の臓器などに使用できると期待していますが・・
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このキメラ動物こそ、猿の惑星の猿人間のことです(^_−)−☆。
権力者は永遠の若さと命を貪欲に追い求めています。
それに答えるために、幹細胞研究なる眉唾ものの分野にノーベル医学賞を授けるなどして、多額の資金を投与してきました。
しかし、一向に人工幹細胞からフル機能をもった臓器が作成できていません(それどころか、往々にして幹細胞はガン細胞になる)。
これは、私が十年前以上からお伝えしてきた「遺伝子決定論」というフェイクサイエンスがこの分野の基礎になっていることが挫折の理由です。
そこでマッドサイエンティスト(リアルサイエンスを学ばずに、金銭欲だけで研究しているヒトたち)が考え付いたのは、幹細胞を人工培養するのではなく、他の動物の受精卵に入れてしまって、それを成長させるということだったのです。
したがって、すでにこのヒトー猿のキメラ受精卵を猿の子宮に戻して、キメラ動物を誕生させる試みがなされているでしょう。
しかし、これは失敗に終わります。
なぜなら、生命体は異常な受精卵を成長させない(流産させる)からです。
たとえ、生まれたとしても、生後まもなく亡くなるでしょう。
羊のドリーでさえ、同じ種のキメラでも、誕生したとしても慢性病を抱えて早死にしています。
異種のキメラ細胞の成長を生命体は許さないのです。
今回の研究のように、仕方なしにキメラ受精卵を取り出して試験管内で培養するしかありませんが、これが成長することはないでしょう。
培養で生きながらえたとしても、おそらくガン細胞に変化する確率が高いです。
「猿の惑星(Planet of the Apes)」の映画の猿は日本人を模したものでしたが、猿人間が出現するというのはファンタジーです(^_−)−☆。