今回の遺伝子ワクチンでクローズアップされたナノ粒子が医薬品やデバイスに頻用されている酸化グラフェン(graphene oxide (GO))です。
炭素だけでできているグラフェン(graphene)とは違い、酸化グラフェンは水に溶けるために、医薬品の運搬役として重宝されています。
さて、その酸化グラフェンが生命体に及ぼす影響を調べた最新の研究が発表されています(Graphene oxide elicits microbiome-dependent type 2 immune responses via the aryl hydrocarbon receptor. Nat. Nanotechnol. (2022). https://doi.org/10.1038/s41565-022-01260-8)。
ゼブラフィッシュという熱帯淡水魚に酸化グラフェンを投与しています。
その結果、酸化グラフェンは小腸粘膜細胞のある受容体と呼ばれるタンパク質を刺激することが分かりました。
そのタンパク質とは、「アリル炭化水素受容体(aryl hydrocarbon receptor, AhR)」とう呼ばれるものです。
このタンパク質は、エストロゲン作用で毒性を発揮するダイオキシンによっても刺激されます(Aryl hydrocarbon receptor activation by cAMP vs. dioxin: divergent signaling pathways. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Jun 28;102(26):9218-23)。
さらに、この酸化グラフェンは、腸内細菌の構成を変えて、酪酸(butyric acid)を過剰産生するようになりました。
この過剰な酪酸も慢性的にアリル炭化水素受容体(AhR)を刺激します。
アリル炭化水素受容体(AhR)を慢性的に刺激すると何が起こるのでしょうか?
まず糖のエネルギー代謝が中等度でキープできている人にとっては、アレルギー反応が起こります(これを現代医学では、「type 2 immunity」と呼んでいる)。
糖のエネルギー代謝が低下している人では、ステロイドやオメガ3と同じく「免疫抑制」が起こります(免疫力の低下)。つまり、感染症やガンに罹りやすくなるのです。
酸化グラフェンをワクチンなどで血液からダイレクトに入れた場合は、各組織に存在するアリル炭化水素受容体(AhR)を過剰刺激して、より強力に免疫抑制効果を発揮するはずです。
以上から、免疫力を低下させるナノ粒子の代表がグラフェンということになります(^_−)−☆。