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『オイル・バトル〜歴史検証シリーズ』

 

 

米国では、パームやココナッツオイルが加工食品に使用されていましたが、それが一気に大豆油に変更になった経緯が1989年のAP通信の記事に掲載されていました(『Battle over Tropical Oils in US Far from Over』 AP, January 27, 1989)。

 

 

 

 

パームやココナッツオイル(いわゆるトロピカル・オイル)は酸化しない飽和脂肪酸が主体です。

 

一方の大豆油は、酸化する多価不飽和脂肪酸(プーファ)です。

 

 

 

飽和脂肪酸が、「コレステロールを上昇させる→コレステロールが心筋梗塞の原因である」といういわゆる「コレステロール仮説」というフェイクサイエンス(現在ではさすがに現代医学でさえ否定している)にのっとって、悪玉にされるキャンペーンが展開されました。

 

 

このキャンペーンは大豆畑を経営する農場主の奥さんの集団を使って行われました。

 

 

人権活動を含めて、女性の金切り声を利用するのは、♨️の常套手段です。

 

 

このキャンペーンには、1920年に設立された「米国大豆協会(American Soybean Association)」が出資しています(大豆協会には米国農務省(USDA)が出資)。

 

この記事では、フィル・ソコロフ(♨️Phil Sokolof)なる人物が、自分の財団から200万ドル(約3億円)を出資していることが書かれています。

 

クッキーやクラッカーといったお菓子に、トロピカル・オイルを使用の禁止を強く主張したことで有名になったこの人物です。

 

それまでは、あのマクドナルドさえも、フレンチフライに牛脂を用いていましたが、この「トロピカル・オイル悪玉」キャンペーンによって大豆油に変更せざるを得なくなりました。

 

ケロッグやジェネラル・ミルなどのグローバル食品会社も、自社の加工商品に使用するオイルをトロピカル・オイルから大豆油へ変更していきます。

 

米国にパームオイルを輸出しているマレーシアも「パームオイルは、コレステロールを低下させるバランスの良い油が含まれている」と広報活動で対抗するも、1986年〜1988年にかけて、パームオイルの米国への輸出は37%減少しました(ココナッツオイルは同時期に18%減少)。

 

 

加工食品のトロピカルオイルが全体の飽和脂肪酸摂取に占める割合は、ほんのわずかにすぎないため、良識のある人たちからは、このキャンペーンは冷ややかな目で見られていました(もちろん飽和脂肪酸摂取そのものが健康に良い効果をもたらすことは言うまでもありません)。

 

しかし、残念ながら、このような出鱈目(でたらめ)なキャンペーンによって、現代人の心身の不健全性がそれ以降確立されたのです。

 

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