最近は、不思議なほど騒がれなくなった狂牛病。
ヒトでは「クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jacob disease, CJD)」と呼ばれ、いずれも海綿状脳症という脳の細胞が海綿の様になって死滅していく病態です。
この原因は、一時は「プリオン」というタンパク質が引き起こすという奇妙な説がメインストリームの医学では信奉されて、ノーベル賞まで受賞したことはまだ記憶に新しいと思います(1997年にStanley B. Prusinerが受賞)。
その後、流石に体内のタンパク質が感染を引き起こすという仮説は無理があることから、ウイルス感染説が根強く唱えられていました(しかし、海綿状脳症は他の人に感染しない)。
私は、当時はまだウイルスという微生物の存在がフェイクであるという確信にまでは至っていませんでしたが、拙著『病はリポリシス』で、放射線(当時はチェルノブイル汚染)や家畜の飼料に混入されるプーファが狂牛病の主原因であると書きました。
最新の研究で、狂牛病のヒト版であるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の脳組織の調査(剖検,autopsy)で、正常の脳組織と比較してあることが判明しました。
それは、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の脳細胞では、ミトコンドリアの電子伝達系と呼ばれるエネルギー産生所がダメージを受けているということでした(Acta Neuropathol Commun. 2020 Apr 16;8(1):50.)。
ミトコンドリアの電子伝達系は、糖のエネルギー代謝の最終段階です。
エネルギーあるいは、二酸化炭素と同様に細胞内を酸性化させる重要な役割を持つATPという物質を作ります。
つまり、狂牛病あるいはクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)などの海綿状脳症の根本原因は、糖のエネルギー代謝の低下ということなのです(^_−)−☆。
特にミトコンドリアの電子伝達系は、プーファ、一酸化窒素、一酸化炭素、シアン化合物、塩素化合物などの毒性物質に非常に脆弱です(リアルサイエンス『糖とエネルギー代謝』)。
放射線は体内でプーファを遊離する作用を持つため、最終的にミトコンドリアの電子伝達系にダメージを及ぼします。
いまだに原因不明とされる狂牛病あるいはクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)などの海綿状脳症の原因も、プリオンやウイルスといった仮想敵(「germ theory」)ではなく、まさに私たちを取り巻く“環境”にあるのです。