音と色。
音色(ねいろ)というくらいですから、この2つの感覚は密接に関係しているのではないかと想像していました。
今回、音と色の関係を示唆する興味深い研究が報告されていますので、ご紹介したいと思います(Behavior Research Methods, First Online: 03 April 2019)。
1.146人のオランダ語を話す人を対象としています(後述する共感覚者も200名含まれる)。
高いピッチの母音で口腔の前で発音するものは、低い母音で口腔の後ろで発音されるものより、より明るい色が連想されました。より緑や黄色が連想されました。
具体的には、黄色、緑などの明るい色は、口腔内の前の高い母音(e.g., /i/, /e/)、赤・茶・青色などの暗い(濃い)色は、口腔内の後方の低い母音(e.g.,/o/, /u/) 、より赤色に近い色は、口腔内の前の高い母音 (e.g., /a/) と関係していました。
母音の発音のときに、口腔内で近い空間にあるものは、色も近いものが関連しています。その反対に口腔内で遠い空間にある母音の色は対照的な色になっています。
つまり、色と母音の発音空間(母音空間:vowel space)に関連があるという結果が出たということです(^○^)。
ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じる特殊な知覚現象を「共感覚( synesthesia )」と言います。
例えば、共感覚を持つ人は、文字に色を感じたり、音に色を感じ(colored hearing)たりします。
今回の調査では、このような音に色を元々感じる共感覚者以外の一般の人でも、70%に母音に同じ色を感じています(^^♪。
私がこの研究で興味を持ったのは、治療面からも音と色にも関係があるという点です。
カラーセラピー(ライト療法も含む)や音楽療法がありますが、これは同じことを行っているということですね(^_-)-☆。
こういった別々に存在している知恵を統一理論で説明できることに、ワクワクしている今日この頃です!(^^)!。