北米やオーストラリアなど欧米社会は、みなさんもご存知のように麻薬大国です。
大麻はすでにオープンにされていますが、アルコール、コカイン、覚せい剤さらにはガン性疼痛に使用される麻薬性鎮痛剤(オピオイド)の乱用が社会問題になっています。
そもそも、なぜ私たちが薬物(ドラッグ)に手を出すのでしょうか?
現代医学では、薬物に手を出すのは、それが快感だからとしてきました。
そして、その快感物質とはドーパミンという神経伝達物質(ホルモンと同じ)です。
私はかねてから、この現代医学の薬物中毒のメカニズムに異を唱えてきました。
ドーパミンは糖のエネルギー代謝を高める物質であるのに、コカインやオピオイドはその逆、つまりエネルギー代謝を落とす物質だからです。
今回、コカインとドーパミンの関係を調べた研究が報告されました(The Journal of Neuroscience, 2018; 1721-18 )。
その結果は、私の予測したとおり、コカイン中毒ではドーパミンは低下するということでした。
研究者の結論は、コカインに手を出すものは、本当はコカインのことが嫌い、つまりコカインに嫌悪感があるからドーパミンが低下しているのではないかという苦し紛れの説明をしてしました(#^.^#)。
たしかに、ドーパミンは創造・活力の泉です。
嫌悪感や否定感とはまったく逆の性質をもたらします。
しかし、ドーパミンが低下する(=意欲の低下)のに、嫌悪感のある薬物に手を出すことは道理に合いません。
薬物に手を出すのは、とりもなおさずストレスのサインです。
コカインをはじめとした薬物は、ストレス反応を強く引き起こします。そのため、一時的にはストレスが緩和できるのです(病気の場の人は、コカインをやるとストレス反応も起きる力もないので、ショックになる)。
これはアルコールも同じですね。
ストレス反応を引き起こすため、一時的にストレスが紛れるのです。
しかし、長期的には逆にストレスを増強してします。このことをジャンキーたちも体で知っているので、手を出さざるを得ないけど、嫌悪感があるのです。
ドラッグに手を出すのではなく、ストレスという根本原因にアプローチしないといけません。つまりは、自分と向き合うこと。
これがなかなか難しいのですが・・・・・自分で乗り越えていくしかありません。
やはり基礎的なサイエンスをしっかり学ぶと、日常的に無意識で行っている行動もきちんとした生命体のメカニズムが働いているということがよく分かります(^_-)-☆。