本日は、ロバート・H・ラスティグ(Robert H. Lustig)さんの主な主張の続きです。
そでは早速いきましょう!
ラスティグさんの主張
「●果糖の代謝プロセス3 脂肪になり、心臓病を押し進める
余ったアセチルCoAはミトコンドリアを離れ、代謝されて脂肪になり、心臓病を押し進める原因になる。
●果糖の代謝プロセス4 肝臓がインスリン抵抗性になる
果糖は、肝臓内で炎症を引き起こす肝酵素を活性化する。これによりインスリン作用の主要メッセンジャーが不活性化され、肝臓はインスリン抵抗性になる。
●果糖の代謝プロセス5 血糖値が上がり、糖尿病につながる
肝臓でインスリンの作用が欠乏するということは、ブドウ糖を低く抑える手段がまったくなくなるということだ。そのため、血糖値が上がり、究極的に糖尿病が引き起こされる。
●果糖の代謝プロセス6 内臓脂肪が増える
肝臓にインスリン抵抗性があると、膵臓が余分なインスリンを分泌しなければならなくなり、余分なエネルギーを脂肪細胞に送ることになって、最終的に肥満になる。エネルギーが最も多く詰めこまれる先は、代謝性疾患に関連付けられている内臓脂肪細胞だ。」
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はい、これらは同じことを繰り返し述べているので、まとめて解説しますね。
まず果糖が脂肪になることは現実の生活ではありえません。これは新しくお届けする『糖・果糖集中講義~糖の3つの神話』というDVDで詳しくメカニズムをお伝えしています。
糖や果糖が脂肪になるのは1日最低でも500g以上を摂取しないと起こり得ません(肥満の米国人でも最高値が1日250g程度です(^○^))。運動量やカロリ―消費量が多い人では、1日500g摂取しても脂肪に変換されません。
脂肪に変換する(脂肪新生という)のは多数の酵素を要し、非常にエネルギーを要するステップです。
脂肪新生は、果糖の主要な作用である糖のエネルギ―代謝を高め、グリコーゲンを増やす(最大のストレスである低血糖に備える)などでもさらに果糖が余り、しかもエネルチ―代謝が回っていないと行えない難作業なのです。
したがって、私たちの体は普通は脂肪新生は盛んに行いません。
内臓脂肪を含めて各組織に脂肪を蓄積させるのは脂肪です。脂肪の中でも糖のエネルギ―代謝を落とすプーファです。
果糖は糖のエネルギ―代謝を高める作用もあるため、インシュリン感受性を高めます。
肝臓のインシュリン感受性を低下させるのは、プーファ(あるいは高脂肪食)です。プーファによってインシュリン感受性が低下するため、血糖値が高くなり、糖尿病になります。
(この詳しいメカニズムはDVDや次作の『続・免疫革命』で詳しくお伝えしていきますのでご期待ください!(^^)!)
今回、私が解説した内容はすべて基礎的なサイエンスです。あまりにも初歩的なところで間違いが多いので驚きますね。
その他もこの本の内容は3段論法も多く、基本的な論理構成も定かではありません。
ラスティグさんの唱える砂糖や果糖悪玉説が正しいのか、それとも基礎的なサイエンスが正しいのか。
あとはみなさんの判断に委ねるしかありません(*^。^*)。