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『カフェイン悪玉説の正体』

「カフェインは危険だ!」

「子供にカフェインは飲ませてはいけない」

「カフェインは麻薬と同じく依存性がある」

エナジードリンクはメタボになる」・・・・・・

この様なカフェインについての現代医学やポップカルチャー(他人やネットの記事のつぎはぎ)の誤解はどこから来ているのでしょうか?

カフェインは慢性病の特効薬として昔から知られています。

特にがんには有効であることが近年でも報告されています(Mol Med Rep. 2017 Sep; 16(3): 2445–2454)(Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2015 Aug;19(16):3080-8)(J Biol Chem. 2001 Oct 19; 276(42):38980-7)。

カフェインには様々な複合的な作用が報告されていますが、メインの作用を以下に説明します。

カフェインは細胞内で「cAMP」という物質の産生を誘導します(Neuroscience. 281:208–215. 2014)。

このcAMPは、グリコーゲンの分解(低血糖を予防)、細胞の糖の取り込み、解糖系の酵素、及びミトコンドリアに入る関門である酵素(フルクトースもこの酵素を活性化する)などを活性化し、糖のエネルギー代謝を高めます(J. Clin. Invest. 1998. 101:390–397)。

つまり、カフェインは甲状腺ホルモンと同じく、糖のエネルギー代謝を加速させるのです。

ここで現代人がカフェインを摂取したときに、問題が起こります。

それは、現代人の糖摂取不足と肝臓の機能低下です。

現代医学でさえ明確に否定している「砂糖悪玉説」に洗脳されて、糖質制限やケトン食を行っていると、慢性的な低血糖状態になっています。

さらには、エネルギー源の糖がないため、体の脂肪やタンパク質を分解(リポリシス、プロテオリシス)して、肝臓で糖に変換しないといけません(脳細胞が死滅する)。

この過程で放出される遊離脂肪酸(プーファが主体)と遊離アミノ酸は、甲状腺を破壊します。そして、余ったプーファは肝臓や筋肉に蓄積していく様になります(これからメタ炎症になる。『慢性病は現代食から』参照)。

肝臓にプーファが蓄積すると肝硬変、肝癌の前病変である「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)」となります。肝機能が著しく低下して、肝臓のグリコーゲン(糖のストック)の貯蔵が低下します。

つまり、現代人は低血糖及び肝臓の糖のストック不足状態になっているということです。

この状態で、糖のエネルギー代謝を回すカフェインを摂取するとどうなるでしょうか?

ガソリンがないところに、エンジンをバンバンかけても、空回りして車が壊れます。

これと同じ様に、糖がないところにカフェインを入れると、糖を作るためにさらに体の脂肪やタンパク質が分解される過度のストレス反応を招く事態となります。

この低血糖という生命最大の危機状態では、アドレナリン、コルチゾールなどのストレスホルモンがマックスになります。これが頻脈や吐き気、目眩などを引き起こすのです。

私もカフェインを過剰摂取(カフェインの量が糖の量を上回るとき)すると、吐き気を催します。

プーファ過剰の現代人が留意すべきもう一つの点があります。

カフェインは非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を根本的に解決します。カフェインは、肝臓に蓄積した脂肪(プーファ)を血液中に放出することがあります(Hepatology. 2014 Apr;59(4):1366-80)。

それによって肝機能は著しく改善しますが、プーファが遊離脂肪酸となって血液中に出るため、一時的に調子が悪くなる場合があります。しかし、これも時間経過で改善していきます。

もちろん、元々脂肪が肝臓に蓄積していない健康人では、一時的にでも調子が悪くなることはありません。

従って、カフェインを摂取するときは、糖分をしっかり摂取すること、及び肝機能を回復させておく(グリコーゲンのストックをしっかりキープする)ことが基本的な前提になります。

これは甲状腺ホルモンや保護ホルモンなど糖のエネルギー代謝を回す物質では、共通して同じことが言えます。

したがって、十分な糖を摂取しかつ糖のストックがあれば、カフェインは理想的な慢性病の根本治癒物質の最有力候補になるのです。

子供であっても、糖のストックと摂取がしっかりとしてれば、積極的に摂取することをお勧めしています。

ちなみに、昨日の記事以外にもカフェインは、白血球のお掃除(phagocytosis)を促進し、その一方で一酸化窒素(NO)や炎症性サイトカインを抑えて、炎症を鎮めることで免疫抑制を解除する作用を持っています(ell J. 2017 Oct; 19(3):415-424)(Neuropharmacology. 2000 Aug 23; 39(11):2205-13)。

さらに脳への作用が抜群です。うつ病やエニアグラムの不健全性にも、カフェインは脳内で保護ホルモンを増産することで抜群の効果を示します(Pharmacol Biochem Behav. 2000 May;66(1):39-4)。カフェインとたっぷりの糖質で勉強が捗るのは当然です(^_−)−☆。

 

「エンジンをフル回転させるときには、燃料も一緒に(^_−)−☆」

 

カフェインの基本的な作用をリアルサイエンスで理解しておくと、なぜポップカルチャーや現代医学で逆のことが言われているのかを自分で考えることができる様になります。

今回は少し長文になりましたので、依存性や中毒性についてはまた別の記事で説明していきます。

 

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