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『胡椒(こしょう)のかけ過ぎに注意〜リアルサイエンスシリーズ』

唐辛子(red pepper)が香辛料の東の横綱であるとすると、西の横綱は胡椒(black pepper)です。
その胡椒の有効成分は、ピペリン(piperine)と呼ばれるファイトケミカル(植物が持つ毒性防御物質)です。
近年は、胡椒に含まれる抗酸化作用の強いピペリンの健康増進作用を謳う論文も散見されます(Bioactive Properties, Bioavailability Profiles, and Clinical Evidence of the Potential Benefits of Black Pepper ( Piper nigrum) and Red Pepper ( Capsicum annum) against Diverse Metabolic Complications. Molecules. 2023 Sep 11;28(18):6569)。
「抗酸化作用=健康増進作用」という短絡的な図式は、現代医学の「信念」となっているからです。
しかし、他の抗酸化物質と同じく、ピペリンの作用を詳しくみていくと、手放しで称賛できるものとは程遠いことが分かります。
一般に、抗酸化物質とよばれる植物のファイトケミカル(毒性・防御物質)は、私たちの体内に入るとストレス反応を引き起こします。
ピペリンの場合も、コルチゾール、セロトニンといったストレスホルモンを誘導します(Diverged Effects of Piperine on Testicular Development: Stimulating Leydig Cell Development but Inhibiting Spermatogenesis in Rats. Front Pharmacol. 2018; 9: 244)(Antidepressant-like effects of piperine and its derivative, antiepilepsirine. J Asian Nat Prod Res. 2007 Apr-Aug;9(3-5):421-30)。
さらに、ピペリンは、医薬品・環境汚染物質などの毒性物質やプーファ・エストロゲンなどの脂溶性の毒性物質をデトックスする肝臓の酵素をブロックします(Piperine: A review of its biological effects. Phytother Res2021 Feb;35(2):680-700)。
この作用が長期的に心身に及ぼす悪影響は計り知れません。
現在のところ、ピペリンを高容量投与すると、不妊になる(テストステロン産生低下、精子産生低下)くらいのラットの実験しか報告がありませんが、長期間のピペリン投与による悪影響は調べられることはないでしょう(製薬会社にメリットがない(^_−)−☆)。
私は、以前は麺類などに胡椒を大量にふって食べていたのですが、糖のエネルギー代謝が高くなってからは、胡椒が入っているスープなどが苦手になりました。
現在では、香辛料一般が苦手になっています。
料理に少し使用するくらいであれば問題はないと思いますが、胡椒のような香辛料は常用しない方がよいでしょう(^_−)−☆。

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