◆TUEETニュースレター◆
⭐️私たちの細胞は、本当の能力を隠している
私たちの体をつくっている細胞は、本当はどこまで“やれる”のでしょうか。普段は、心臓の細胞は心臓として、肺の細胞は肺として、とてもきちんと役割分担しながら、教科書に載っている通りの組織や臓器をつくり上げています。正常な胚発生では、周りの細胞からの合図を受け取りながら、「ここは皮膚」「ここは神経」という決められたゴールへ向かって整然と並び、私たちがよく知る人体の形を組み立てていきます。
では、もしその細胞たちを、一度“元のルール”から解き放ったらどうなるでしょうか。生体内でがんじがらめになっている指示系統から外し、「好きなように多細胞のからだを組んでみていいよ」と言ったら、彼らはどんな形をつくり、どんな動きを見せるのでしょうか。
周囲から「ここにいなさい」「こう振る舞いなさい」と命令されることなく、自分たちだけの判断で“多細胞性をもう一度やり直す”チャンスを与えられたとき、細胞集団がどんなふるまいを選ぶのか――この問いが、近年のアントロボットやゼノボット研究の核心にあります[1][2]。
檻の中で育った鳥が、初めて大空に放たれた瞬間を想像してみてください。最初は戸惑いながらも、やがて翼を大きく広げ、誰にも教わっていないはずの飛び方を思い出したかのように、自由な軌道を描き始めます。同じように、細胞もまた、本来の身体から切り離され、改めて「好きなように集まり、動いてよい」という条件を与えられたとき、教科書には載っていない、隠された能力や“もう一つのからだの作り方”を見せ始めるのかもしれません。
⭐️ゼノボットとアントロボット
植物の虫こぶは、寄生者のシグナルによって、もともとの設計とは違う“奇妙な器官”を植物自身に作らせる現象です。
また、カエルの胚の上皮細胞から作られた「ゼノボット(Xenobots)」は、細胞たちが自ら動き、周囲の遊離細胞を集めて“自己複製まがい”のふるまいまで見せることが報告されています・・・・・・・・・・

















