◆パレオ協会基礎医学Q&A ◆
『顔面痙攣の原因について』
今回は、顔面痙攣の原因についてのご質問に対する回答をシェアいたします。
(ご質問)
崎谷先生、お世話になっております。いつも有益な情報をありがとうございます。
質問があります。現在60歳男性です。
高校生ぐらいの時、笑顔を作る際、顔がわずかに引き攣る感覚があり、また、疲れた時は、瞼や瞼の下がピクピク痙攣することがありました。人と接する際、笑顔が引き攣るので対人関係が辛くなり、嫌っていないのに相手に誤解を与え、人間関係が悪くなることもありました。
ずっと悩んでいましたが精神的なものであり、できるだけ気にしないよう我慢してきましたが、だんだん症状がひどくなり、マスクをしないと日常生活を送れなくなりました。
ネットで片側顔面痙攣という病気があり、小脳の前下小脳動脈や後下小脳動脈などの血管が顔面神経を圧迫することにより、顔面神経が興奮状態となり、自分の意思とは関係なく痙攣が起こることがわかりました。大病院の脳神経外科で最新のMRIを撮ってもらったところ、やはり小脳の血管が顔面神経にあたっているとの診断を受けました。医師は、「生命に関わる病気ではないので、様子を見たら」と言われましたが、何十年も悩んできて、日々生きるのがつらくて仕方がない状況です。
微小血管減圧術と言う手術があり、頭蓋骨に500玉程度の穴をあけ、圧迫している小脳の血管を顔面神経から引き離して、別のところに固定化すると、90%の人は良くなるようですが、脳幹の近くで作業をするデリケートな手術で、聴神経と顔面神経は並走しているため、顔面神経を移動する際、聴神経を刺激し、聴力障害、嚥下障害などの後遺症が残る可能性があり、再発する人もいるとのことです。また引き離した血管を固定化するのに、フィブリン糊(感染症の危険)とテフロン製の布(フッ素を吸収する危険性)を使うようで、抵抗感があります。
なぜ血管が顔面神経に当たる人と当たらない人がいるのでしょうか。物事には必ず原因があるはずと考えるのですが、これらに答えるエビデンスは、ネット等には見当たらず、手術に成功して良かっただけの動画等が多く見受けられます。
この疾患は、背の高い低い人がいるのと同じで、単に遺伝的要素により、運命的に決まるものでしょうか。それとも、唐のエネルギや代謝など、環境的要因によるものでしょうか。
先生は脳神経外科でいらっしゃいますが、この疾患についての見解をお伺いしたいです。
症状の根本原因を置き去りにして、表に出てきている現象(症状・病気)だけを抑えつけたら治癒と言う現代医学に限界を感じています。時間はかかるが確実にゴールに向かうような対処法はありますでしょうか。
(回答)
なぜ血管が顔面神経に当たるのか:現代医学が見落としている根本原因
現代医学は「血管が神経に当たっている」という結果を見ているだけで、「なぜ血管が蛇行し、神経を圧迫するようになったのか」という原因の原因を追求していません。これは単なる遺伝的運命ではなく、環境的・代謝的要因が大きく関与しています。
最新の研究が示す重要なファクターとして、まず高血圧との相関が挙げられます。メタ解析では片側顔面痙攣患者において一般人口より高血圧の有病率が有意に高いことが確認されています¹。また、加齢とともに動脈硬化が進行し、血管が蛇行・変形することで神経との接触が生じることも知られています。さらに研究では、ビタミンD欠乏²、ビタミンB12不足、甲状腺機能、糖代謝異常などが関連因子として指摘されています。
しかし、若い時点では動脈硬化があるはずがありません。高校生の時点で症状があった理由を、動脈硬化では説明できないのです。この矛盾を解く鍵は、まったく別のメカニズムにあります。
若年発症片側顔面痙攣(HFS)の真の病態メカニズム
若年発症HFS研究論文³から明らかになるのは、若年患者でも血管と神経の接触は必ず存在するということです。151例全例で血管圧迫が確認されています。しかし健康な若者の多くも、解剖学的には血管と神経の接触を持っています。ではなぜある人は症状が出て、ある人は出ないのでしょうか。

答えは、・・・・・・
















