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『噛むたびに脳が汚染される:チューインガムに潜む驚きの真実』

噛むたびに脳が汚染される:チューインガムに潜む驚きの真実

 

先日、無事にハチミツ療法協会総会が終了しました。

遠方からたくさんの方のご参加ありがとうございました。

説明がありません

今回は、ハチミツ療法家の方からの症例発表や松尾先生の講義などもあってとても充実した1日になりました。

この場を借りて、みなさんに感謝申し上げます。

さて、今日の話題です。

 

 

 

「ガムを噛むと脳に良い」――こんな言葉を信じて、リフレッシュや集中力アップのためにチューインガムを噛んでいませんか?

 

 

でも、その一噛み一噛みが、あなたの脳を静かに蝕んでいるかもしれないのです。

 

 

 

最新の研究で大変興味深い結果が出ています。

 

 

 

チューインガムを噛むたびに体がプラスチック汚染される!

2025年3月に発表された最新研究では、合成ガム・天然ガムを問わず、ガムを噛んだ唾液から大量のマイクロプラスチックが検出されました。

  • 噛み始めてから2分以内に放出がピーク
  • 8分後には94%のマイクロプラスチックが唾液中に
  • ガム1個(2〜6g)から最大3,000個以上が体内に入る可能性も!

これらはポリオレフィンやPET、ポリスチレンなど、私たちが普段「プラスチックごみ」として捨てているものと同じものです。

 

 

体内に入ったプラスチックはどこに行くのか?

 

 

チューインガム咀嚼時、ほとんどの人は唾液を飲み込む傾向があるため、マイクロプラスチックを含む唾液の摂取は懸念されていました。唾液を飲み込めば、これらの微粒子は食道から腸、さらには血液中へと入り込みます。

 

2024年のレビューでは、マイクロプラスチックがヒトの呼吸器、消化器、生殖器の健康に害を及ぼす疑いがあり、結腸癌や肺癌とも関連している可能性が指摘されています。

 

 

 

チューインガムにはフタレートなどのエストロゲン作用物質が含まれ、それが噛むごとに唾液に放出されています。これらの唾液が食道を通過して消化管で吸収されると、フタレートが血液中に入って全身を循環することになります。

 

 

 

実際にオーストリアの母子ペアを対象とした研究では、チューインガムの使用頻度と尿中フタレート代謝物(MEP)濃度の間に有意な相関(R = 0.37, p < 0.05)が見られています。

 

 

 

これは、チューインガムに含まれるフタレートが消化管から血液中に入り、全身を循環した後に尿として排出されていることを示唆する研究です。

 

参考文献

 

・『Chewing gum can shed microplastics into saliva, pilot study finds』 ACS Newsroom, March 25, 2025

 

・Pant, Udit and Tate, James and Birse, Nick and Liu, Xiaotong and Elliott, Christopher and Cao, Cuong, Nanoparticle-on-Film (Npof) Sers for Assessing Micro- and Nanoplastics Released into the Oral Cavity from Chewing Gum. Available at SSRN: https://ssrn.com/abstract=4993352 or http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.4993352

 

・Microplastics and human health: unveiling the gut microbiome disruption and chronic disease risks. Front Cell Infect Microbiol. 2024 Nov 25;14:1492759.

 

・Human biomonitoring of phthalate exposure in Austrian children and adults and cumulative risk assessment. Int J Hyg Environ Health. 2015 Jul;218(5):489-99.

 

 

マイクロプラスチックの脳蓄積による潜在的な健康リスク

2025年の「Nature Medicine」に掲載された衝撃的な研究結果によれば、マイクロ・ナノプラスチックは腎臓や肝臓よりも高い濃度で脳に蓄積する可能性が示されました。
特に認知症患者の脳には、より高い濃度で蓄積されていたのです。

 

これにより以下のリスクが報告されています:

  • 記憶障害
  • 認知異常
  • 行動異常
  • 脳梗塞 など

 

参考文献

・Bioaccumulation of microplastics in decedent human brains. Nat Med. 2025 Feb 3. doi: 10.1038/s41591-024-03453-1.

 

・Microplastics in the bloodstream can induce cerebral thrombosis by causing cell obstruction and lead to neurobehavioral abnormalities. Sci Adv. 2025 Jan 24;11(4):eadr8243.

 

・Evaluation of Neurotoxicity in BALB/c Mice following Chronic Exposure to Polystyrene Microplastics. Environ Health Perspect. 2022 Oct;130(10):107002.

 

・Effects of Microplastic Accumulation on Neuronal Death After Global Cerebral Ischemia. Cells. 2025 Feb 7;14(4):241.

 

 

 

これらのエビデンスを統合すると、チューインガムを噛めば噛むほど、マイクロ&ナノプラスチックが放出されて、脳にダメージが及ぶことが分かります(もちろん他の臓器障害も引き起こす)。

 

 

 

またチューインガムに含まれる人工甘味料(アスペルテーム)が頭痛を引き起こします。

 

参考文献

・Chewing Gum Headaches.  HEADACHE: THE JOURNAL OF HEAD AND FACE PAIN,  Jun 25, 2002, 665-666

 

 

 

チューインガムが環境問題を引き起こしている!

チューインガム廃棄による環境のプラスチック汚染は、年間10万トンに及ぶことに警鐘が鳴らされています。チューインガムは基本的に非生分解性で非リサイクル性の柔軟なプラスチックの塊です。

 

 

チューインガム廃棄物は自然に分解されることはなく、90〜100年もの間環境中に残留します。そして、光との反応でマイクロおよびナノプラスチックが漏出して水質・土壌汚染を引き起こします。

 

参考文献

・Improper Disposal of Non-biodegradable Chewing Gum is One of the Biggest Threats to Our Ecology: A Review. Curr. World Environ., Vol. 16(3) 916-927 (2021)

 

・『Plastics in Chewing Gum – A Sticky Situation!』 GreenSeas Trust, February 22, 2024

 

 

日常的な「リフレッシュの習慣」が、実は健康をむしばみ、環境を汚染しているかもしれません。

 

 

 

ほんの小さなガムひとつが、私たちの身体と地球に与える影響は思っている以上に大きいのです。

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