最近では、翻訳機能も充実し、英語を読めない人でも気軽に英文の論文検索をすることができるようになりました。
新しい論文を紹介するのは良いのですが、論文を読むときに留意すべき点があります。
過去記事の『悪質な砂糖悪玉説を撃退する』でお伝えしたように、論文の著者が論文の内容に関わるような製薬会社、バイオ産業や医療機器会社(あるいはそれらと回転ドアの関係にある国立衛生研究所(NIH))との利益関係(賄賂(わいろ)のことです、利益相反という)にあることを報告しているかどうかです。
論文が発表されたあと、数年してから、「実は論文で推奨していた薬の特許を持っている製薬会社から資金提供してもらっていました」と告白する例もかなりありますが、それも言わずにこっそりと論文を撤回する例も多数あります。
(もちろん、圧力がかかって撤回される論文もあります(カバールにとって都合の悪いエビデンスが示される場合(^_−)−☆))。
そのような典型例を挙げましょう。
2018年に『Vaccine』誌に掲載された子宮頸がんワクチン(HPV vaccine)に関しての論文です。
子宮頸がんワクチンを接種していると、妊娠した後に早産のリスクが低下するという内容です。
しかし、データを詳細に再検討すると、その逆であることが判明したのです(RETRACTED: Association of prior HPV vaccination with reduced preterm birth: A population based study. Vaccine. 2018 Jan 2;36(1):134-140)(『“A wholly frustrating and embarrassing process”: Authors retract paper on HPV vaccine and preterm birth』 Retraction Watch, September 23, 2020)。
子宮頸がんワクチンによって、早産のリスクが高まるということです。
このデータ解析の間違いは、なんと存在しない人間がやったことになっています(責任転嫁は、システム内の人間の基本的な行動様式(エトス))。
しかも、この論文の著者は、子宮頸がんワクチン販売の権利を持つ会社から利益供与を受けていることを隠していました。
後出しジャンケンも良いところです。
この論文の内容を信じ込んで、子宮頸がんワクチンを推奨した産婦人科医もいたでしょう。
子宮頸がんワクチンの効能については、確固たるエビデンスがないことは拙著『ウイルスは存在しない』『ワクチンの真実』でもお伝えしたとおりです。
それにも関わらず、いまだに産婦人科学会から子宮頸がんワクチンが推奨されています。
新しい論文を見ても、それが適切であるかどうかは、過去記事でお伝えしたように「二重盲検ランダム化比較試験」であるかどうか以外にも、著者が利益相反を報告しているかどうかが大切なポイントになります。
生命の基本を謙虚に学ぶと、論文の題名や概要だけでも“察し”がつくようになります😃。