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『使ってはいけない“薬用”表示品〜リアルサイエンスシリーズ』

 

薬用歯磨き、薬用石鹸、薬用化粧品など様々な日常生活用品の中に、‘’薬用‘’と記された大量生産の品があります。

 

 

 

この薬用とは、「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」によって、「医薬部外品」に分類されるものです。

 

 

 

「医薬部外品」とは、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が、一定の濃度で配合されています。

 

 

医薬品が「治療」目的の加工品であるのに対して、医薬部外品は「予防や衛生」目的であるとされています。

 

 

さて、この薬用には何が入っているのでしょうか?

 

 

今回は、薬用歯磨きやマウスウオッシュを調べてみましょう。

 

 

薬用として、フッ素や塩素といった猛毒のハロゲン化合物が主体となっています。

 

 

塩素では、クロルヘキシジン(chlorhexidine)、フッ素では、フッ化ナトリウム(sodium fluoride)やモノフルオロリン酸ナトリウム(sodium monofluorophosphate)などが配合されています。

 

 

 

これらは、虫歯予防として抗菌効果が謳われているものです。

 

 

しかし、2014 および2020年の研究では、塩素化合物であるクロルヘキシジンは、耐性菌を発生させるだけでなく、口内炎、耳下腺の炎症、歯の色素沈着、アレルギー、ショックなどを引き起こすことが報告されています(Current uses of chlorhexidine for management of oral disease: a narrative review. J Dent. 2020 Dec; 103: 103497)(Multi-centre retrospective analysis of anaphylaxis during general anaesthesia in the United Kingdom: aetiology and diagnostic performance of acute serum tryptase. Clin Exp Immunol. 2014;178: 399–404)。

フッ素に虫歯予防効果がないことは過去記事やニュースレターでもお伝えしてきましたが、フッ素にエナメル質にミネラルを沈着させる作用も乏しいことが示されています(Preventive Effect of Professional Fluoride Supplements on Enamel Demineralization in Patients Undergoing Fixed Orthodontic Treatment: A Systematic Review and Meta-Analysis. Turk J Orthod. 2022 Sep;35(3):223-230)(The cariostatic mechanisms of fluoride. Acta Med Acad. 2013; 42:179–188)。

 

フッ素化合物の使用は、子供の知能低下、自閉症、多動症との関連が過去から指摘されていましたが、最近ではうつ病や不安神経症との関連も指摘されています(Fluoride exposure during early adolescence and its association with internalizing symptoms. Environ Res. 2022 Mar;204(Pt C):112296)(The Relationship between Fluoride Exposure and Cognitive Outcomes from Gestation to Adulthood-A Systematic Review. nt J Environ Res Public Health. 2022 Dec 20;20(1):22)(Fluoride exposure from infant formula and child IQ in a Canadian birth cohort. Environ Int. 2020 Jan;134:105315)(Association between water fluoride and the level of children’s intelligence: a dose-response meta-analysis. Public Health. 2018 Jan;154:87-97)(Fluoride exposure and children’s intelligence: Gene-environment interaction based on SNP-set, gene and pathway analysis, using a case-control design based on a cross-sectional study. Environ Int. 2021 Oct;155:106681)。

 

これは、フッ素が強い甲状腺障害(つまり糖のエネルギー代謝の低下)を引き起こすからです(Iodine Status Modifies the Association between Fluoride Exposure in Pregnancy and Preschool Boys’ Intelligence. Nutrients. 2022 Jul 16;14(14):2920)(Thyroid function, intelligence, and low-moderate fluoride exposure among Chinese school-age children. Environ Int. 2020 Jan;134:105229)。

 

薬用とされているものは、作用が医薬品よりマイルドではなく、医薬品に負けず劣らず「糖のエネルギー代謝」を低下させるリスク要因なのです(^_−)−☆。

 

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