子供は成人よりも色に敏感に反応します。
この特質を利用して、子供用のお菓子や清涼飲料水といった超加工食品に着色をほどこしています。
赤色40号(アルラレッドAC)は、その代表的な着色料です。
この赤色40号と名付けられたタール色素と子供の多動症(ADHD)の関係が以前から取り沙汰されていました(Artificial food dyes and attention deficit hyperactivity disorder. Nutr Rev. 2011;69(7):385-91)(Artificial food dyes and attention deficit hyperactivity disorder. Nutr Rev. 2011;69(7):385–391)。
最新のマウスの実験において、赤色40号の長期摂取で腸に炎症を引き起こすことが明らかになりました(Chronic exposure to synthetic food colorant Allura Red AC promotes susceptibility to experimental colitis via intestinal serotonin in mice. Nat Commun 13, 7617 (2022))。
また、腸の炎症(クローン病、潰瘍性大腸炎)をもっていると、赤色40号の長期摂取で大腸癌に発展することも明らかになっています。
この研究では、そのメカニズムまで明らかにしています。
赤色40号は腸内においてセロトニンを上昇させるのです。
セロトニンは、自閉症や多動症の原因物質としてお伝えしてきました。
今回、セロトニンは、炎症性腸炎(自己免疫性腸炎)性および大腸癌の原因物質であることが明らかにされました。
現在も広く使用されている赤色40号を用いて人体実験(倫理的に疫学的調査しかできない)はできません。
このマウスの実験によって、赤色40号は同じ生命体であるヒトにとってもリスクであることが十分証明されたと考えてよいでしょう。
私たち現代人は、その他にもセロトニンを増加させるライフスタイルや食事を行なっているため、赤色40号の摂取と相乗効果がかかります。
したがって、赤色40号の長期の慢性摂取がないからといって、脳や腸の問題が起こらないとは間違っても言えないのです(^_−)−☆。