現在のニュー・ノーマルでは、中小企業や個人経営のレストランなどが軒並み廃業しています。
一方でウハウハ状態なのが、アマゾンやファストフード店などの“彼ら”の持ち物です。
さて、そのファストフード店の定番といえば、やはりフレンチフライ。
イギリスでは、フレンチフライを提供する最初のフィッシュ・アンド・チップス店(Fish and Chip Shop)は、1860年に遡るといいます。
日本ではちょうど幕末(桜田門外の変など)です。
近年のファストフードでは、このフレンチフライに使用する植物油脂、つまりプーファには、大豆油、サフラワー油、菜種油が使用されています。
このファストフード店のフレンチフライがどれだけ危険なものかを調査したイギリスの研究が報告されています(“Real-World” Evaluation of Lipid Oxidation Products and Trace Metals in French Fries From Two Chain Fast-Food Restaurants. Front Nutr. 2021; 8: 620952)。
なぜフレンチフライが危険なのでしょうか?
それは、プーファ(オレイン酸でも)を高温処理するとアルデヒド(lipid oxidation products (LOPs))という発癌物質が大量産生されるからです。
ファストフード店や揚げ物の多い居酒屋などの近いを通るだけで、気分が悪くなる悪臭が漂っていますが、その悪臭がアルデヒドそのものです。
アルデヒドは発癌、神経変性疾患、肝臓障害、動脈硬化、奇形などあらゆる病態の直接的な原因となっています(Chronic non-communicable disease risks presented by lipid oxidation products in fried foods. Hepatobiliary Surg Nutr. 2018 Aug;7(4):305-312)。
今回、調査したファストフード店のフレンチフライには大量のアルデヒドがみとめられました。
これは、酸化したオイルに発生したアルデヒドがポテトに移行したからです。
この論文で特筆すべきは、アルデヒド以外にも鉄、アルミニウム、鉛、カドミウムなどの毒性の強い重金属が少なからず検出されたことです。
これらの重金属の存在は、プーファの脂質過酸化反応を加速させて、アルデヒドを大量発生させます。
今回の研究では、これらの重金属が多いほど、アルデヒドの量が少なかったという結果から、誤った結論を導きだしています。
重金属が多いと、プーファからアルデヒドを大量発生させますが、これらのアルデヒドは反応性が非常に高いという特徴あります。
ポテトのアミノ酸や遺伝子と速やかに結合して変性させます。
そのため、フリーのアルデヒド濃度が低く出るだけです。
これらの重金属はオイル由来と本論文で推測していますが、いまや飲料水から食品を含めて、重金属汚染されていないものはありません。
昔と比較しても、比べ物にならないほど、現代のフレンチフライは危険なものになっているのです(^_−)−☆。