『新型コロナ遺伝子ワクチンの効果とは何か?』

ジョンソン&ジョンソン(Janssen Biotech, Inc)の新型コロナ遺伝子ワクチンの“緊急使用”許可(Emergency Use Authorization (EAU))がおりるようです(『FDA Briefing Document Janssen Ad26.COV2.S Vaccine for the Prevention of COVID-19』Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee Meeting, February 26, 2021)。

 

米国食品医薬品局(FDA)の正式なワクチン認可ではありません。

 

 

このJ&Jのワクチンは、オックスフォードーアストラゼネカ製の遺伝子ワクチン(ChAdOx1 nCoV-19 (AZD1222))と同じデザインのものです。

 

ヒトアデノウイルスに新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を作る遺伝子(DNA)を入れこんだものを注射するものです(アストラゼネカは、チンパンジーアデノウイルスを使用)。

 

 

J&Jが提出したデータは、臨床試験のフェーズ3の2ヶ月という短い期間の中間解析だったようで、本来ワクチンの認可には、最低でも6ヶ月の期間の経過観察が必要です(『Johnson & Johnson Announces Single-Shot Janssen COVID-19 Vaccine Candidate Met Primary Endpoints in Interim Analysis of its Phase 3 ENSEMBLE Trial』Johnson & Johnson, January 29, 2021)。

 

「下駄を履かす」という言葉がありますが、まさに欧米の一流大学で当たり前のように行われている裏口入学のようなものです(^_−)−☆。

 

この遺伝子ワクチンの効果は、アストラゼネカ、ファイザーやモデナと同じく、新型コロナウイルスの感染予防効果を見たものではありません。

 

 

J&Jの遺伝子ワクチンを接種したグループでは、中等度〜重度の感染症に罹患した割合が、プラセボより低かったという“ごまかし”の評価項目によって、「66%の有効率!」と数字を作り上げています(ワクチンの効果は50%を超えないと認可されない)。

 

ただし、南アフリカに認められた変異型には効果が低かったということでした。

 

さて、アストラゼネカの遺伝子ワクチンをこれから発展途上国にプロモートしなければならないため、ランセット誌ががんばっています(^_−)−☆。

 

アストラの遺伝子ワクチンは、1回目接種から期間を置いて2回目接種した方が、効果が高いという“箸にも棒にもかからない”論文が報告されています(Lancet. 2021 Feb 19;S0140-6736(21)00432-3)。

 

標準用量2回接種後の有効率は、接種間隔が6週間未満と短い場合は、有効率55.1%に比べ、12週間以上と長い場合は、有効率は81.3%にアップしたという解析結果だったようです・・・・

このワクチンの効果というものの、
●PCR検査陽性
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に特徴的な症状(37.8℃以上の発熱、咳、呼吸困難、嗅覚障害、味覚障害)のうち1つ以上発現〕

 

という症例の数をどの程度低くできたかを見ているだけです。

 

つまり、過去記事でもお伝えしたように、軽い症状を呈するPCR陽性症例を減らす効果を見ているだけで、感染の予防や重症例(入院や死亡例)を減らす効果を検討していないのです。

 

毎日メディアから「ワクチンの効果〜%!」というプロパガンダを聞いていると、あたかも感染を防いでくれるように勘違いするようになりますので、再度ワクチンの効果と喧伝しているものは何かということを再確認してみましょう(^_−)−☆。

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