2020年3月に開催いたしました『新型コロナウイルスの真実』講義や過去記事でも、今回の新型コロナウイルス感染症の発症の大きな要因に大気汚染の存在をお伝えしました。
有病者が多発した地域では、大気汚染の程度が高い事実がありました。
米国でも、PM2.5の曝露濃度が1μg/m3上昇するごとにCOVID-19による死亡率は15%(95%CI 5〜25%)増加することも報告されています。
今回のロックダウン政策の正当化の一つとして、世界の大気汚染が減少したという点がよく強調されます。
これは、屁理屈もよいところですね。
ロックダウンをしなくても、化学工場(多国籍企業の下請け)などのプラントの操業を止めればよいことだからです。これだけで、大気汚染だけでなく、水質・土壌汚染も減少できます。
そして、エネルギーを石油、原発から誰でも利用できるものに変えることです。
石油が世界のエネルギー源になる前では、穀物などを発酵してできたアルコールなどを燃料とした車が走っていました。
米国でも、公共の電気で走るバスや電車が昔はあったのです。
これをすべて廃止して、ガソリン自動車に置き換えた(もちろん、初代のロックフェラーです)ことが、大気汚染および現代人の慢性病に拍車をかけています。
日常生活用品がケミカルまみれから、自然素材へ原点回帰できれば、一石三鳥の効果がありますよね(もちろん人々の生活や働き方も変わる(^_−)−☆)。
さて、実際にロックダウンによって、どの程度大気汚染が改善したのでしょうか?
最新の研究によると・・・・・(Allergol Immunopathol (Madr). 2020 Jul 1;S0301-0546(20)30109-9)
ブラジル・サンパウロ市における部分的ロックダウン中の大気汚染レベルは、過去5年間と比べてNO濃度(最大77.3%)、NO2濃度(最大54.3%)、CO濃度(最大64.8%)がいずれも著明に低下していたといいます。
リオデジャネイロ市では部分的ロックダウン開始1週間でCO濃度(30.0〜48.5%)をはじめNO2濃度やPM10濃度が低下。中国、イタリア、スペインなど他の国々でも類似の結果だったようです。
中国については、北京などの北部では冬季の石炭暖房による大気汚染は削減が示されませんでしたが、上海や武漢など大気汚染が著しい南部の工業地域では著明な削減が認められています。
フィンランドの独立研究機関であるCentre for Research on Energy and Clean Air(CREA)の調査では、
過去30日間に平均NO2濃度が約40%、平均PM濃度が約10%低下したことにより、大気汚染を要因とする死亡が1万1,000人(95%CI 7,000〜2万1,000人)減少したといいます。
次回のプランデミック(plandemic)では、マスク、ソーシャルディスタンシング、トレーシングやロックダウンではなく、脱ケミカル社会への移行による大気汚染減少政策を柱にしないといけませんね(^_−)−☆。