昨日の記事でも、老化(aging)に伴ってプーファが蓄積してくることをアルツハイマー病の研究でお伝えしました。
加齢とともに、実際に脂肪組織だけなく、あらゆる細胞内に脂肪滴(lipid droplet)が蓄積していきます。
脂肪滴とは、脂肪の液体状の塊で、中性脂肪で構成されています。
拙著『ガンは安心させてあげなさい』でも、ガンの悪性化に伴って、ガン細胞内に脂肪滴が蓄積することをお伝えしました。
加齢が進むほど、この脂肪滴の中性脂肪の脂肪酸の構成が変化していきます。
加齢にともなって、中性脂肪の脂肪酸がプーファ(多価不飽和脂肪酸)に変化していくのです(Mol Biosyst. 2017 Feb 28;13(3):498-509)。
老化については、細胞内の脂肪滴のプーファ以外にも、大切な脂肪酸の変化が起こる場所があります。
それは、細胞内の二酸化炭素(ミラクルホルモン)とエネルギー(および熱)を産生するミトコンドリアです。
ミトコンドリアの内膜は、そのエネルギーを産生する重要な場所です。
この内膜を構成する脂質にカルジオリピン(cardiolipin)があります。
このカルジオリピンの脂肪酸が飽和脂肪酸(加齢とともにリノール酸へ)からオメガ3のDHAに変化することが、老化の原因であることをお伝えしました(拙著『オメガ3の真実』『自然治癒はハチミツから』)。
最新の寿命のミバエの研究でも、飽和脂肪酸で構成されるカルジオリピンを投与すると、ミトコンドリアの機能が改善し、健康状態が向上したことが報告されました(Nature Metabolism volume 2, pages387–396(2020))。
このように「老化のフリーラジカル仮説」は、すでに完全に否定されています。
アンチエイジングもやはり“プーファフリーから”なのです(^_−)−☆。