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『ストレスホルモンと自殺の関係』

今回のロックダウンによって、経済的・社会的支援のない絶望の状態で、自殺や無理心中を図る人たちが後を断ちません。

このように社会隔離経済破綻で多くの命が奪われていることは、一向に報道されません。報道されるのは、フェイクパンデミックによる死者数ばかりです。

さて、自殺企図や自殺とストレスホルモンであるコルチゾールとの関係は昔から多くの研究が報告されています。

最新の研究で、このコルチゾールと自殺の関係をまとめた研究論文が報告されました(Int Rev Neurobiol. 2020;152:101-130)。

この研究論文では、慢性的にコルチゾールガ高い状態が自殺の大きな原因であることは再確認されています。

医薬品のコルチゾールであるデキサメサゾン(dexamethasone)を投与する検査があります。

コルチゾールは環境の変化に応じて、脳の指令で副腎という器官で産生されます。

この検査は、「脳の視床下部―脳下垂体―副腎(HPA系)」の環境の変化に対する指令系統がまともに機能しているかを調べる目的で使用さています。

通常は、デキサメサゾン(dexamethasone)を投与すると、脳がコルチゾールはすでに十分あると判断して、指令を止めます。つまり、副腎でのコルチゾールの産生をストップします。

ところが、うつ病や自殺傾向のある人では、この産生ストップがかからずに、コルチゾールが高いままなのです(HPA hyperacitvity)。

さらに・・・・・・

ストレスに応じて、「脳の視床下部―脳下垂体―副腎(HPA系)」は活動を高めますが、重症のうつ病や自殺企図のある人では、この反応が非常に弱いことも分かっています(HPA hypoacitvity)。

この場合は、急性ストレスに対応するためのコルチゾールが足りません(ドーパミンの産生も低下)。

おそらく、うつ病→自殺の経過では、当初は慢性ストレスでコルチゾールが高くキープされ、経過にしたがってコルチゾールの産生そのものが低下していくと考えられます。

これは慢性にコルチゾールが高い状態では、徐々に全身の細胞の糖のエネルギー代謝がブロックされ、コルチゾール産生(コレステロール変換)することができなくなるためです。

もちろん、経済的困窮が当初の慢性コルチゾール上昇をもたらし、そのうち栄養不足(および糖のエネルギー代謝ブロック)でコルチゾール産生さえも不可能にしてしまいます。

「ストレスホルモンの慢性的上昇→必要なときの産生の低下」は、うつ病や自殺だけでなく、あらゆる慢性病に共通した現象です。

 

リアルサイエンスでみると、自殺や無理心中の対策はカウンセリングではありません。その対策は、ロックダウンや社会隔離を解除し、経済的支援をすること(迷惑をかけた損失を補填すること、共産主義のベーシックインカムではありません)であることは論を待ちません(^_−)−☆。

 

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