Book

『NYの新型コロナウイルス感染症:医薬品、ワクチンよりも衛生・食事を』

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療と予防について、目下のところ抗ウイルス薬(あるいはコチラ)やGEワクチンの開発のデッドヒート(dead heat)が繰り広げられています。

米国での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の中心地(epicenter)となったニューヨーク。

米国全体の15%以上の感染者が集中しています。

その理由については、オンライン講義でお伝えしたイタリアと同じ事情があります。

最新の疫学調査で、ニューヨークの最も貧しい地区(borough)であるブロンクス(Bronx)で、最も入院率および死亡率が多いことが明らかにされました(JAMA. Published online April 29, 2020)。

ニューヨークで最も裕福なマンハッタンでは、最も入院率および死亡率が少ない結果に。

マンハッタンは、ニューヨークでも最も人口密度が高い地区でもあるにかかわらず、死亡率は、ブロンクスがマンハッタンの2倍にものぼっています。

これだけでも「社会隔離政策(social isolation)」の有効性に疑問符が付きますね。

ブロンクスとマンハッタンでは、病院の病床数も同じなので、入院収容の差ではありません。

ブロンクスとマンハッタンでの人種の違いがあるにせよ、明らかに衛生、食事などの環境因子の違いが入院率及び死亡率の決定的な差になっていることが分かります(この論文では、職業や社会経済的地位の差などが影響していると推測しています。つまり経済格差が与える“環境格差”です・・・・)。

この“環境格差”が健康に与える影響は感染症だけではありません。

癌の死亡率においても、ニューヨークではマンハッタンが最も少なく、ブロンクスが最も高い結果が出ています(American Cancer Society Cancer Action Network (ACS CAN).2019)。

衛生と食事を含めた社会環境を整えることが、感染症や癌の治療や予防において最重要視されるべき喫緊(きっきん)の課題なのです(^_−)−☆。

国民がこれを国に求めることはできないようなシステムがすでに完成しています(税金は私たちのために使用されることはありません)。

ということは、自分自身で環境改善を図るしかありません。

この現実をしっかりと受け止めて、私たちができることを考えていきましょう(^_−)−☆。

関連記事

  1. 『アルツハイマー病の本当の原因は?』

  2. 『WHOの方針転換についての記事〜俯瞰シリーズ』

  3. 『砂糖悪玉説の根拠はない!〜リアルサイエンスシリーズ』

  4. 『糞便の経口摂取は有効か?』

  5. 『リーキーガットの特効薬:ミルク〜リアルサイエンスシリーズ』

  6. 『どのように食べるか?』

  7. 『新型コロナ関連の医学論文の80%はフェイク』

  8. 『アジュバントはワクチンだけでないー農薬、殺虫剤の危険性』