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『なぜ冷奴(豆腐)にショウガなのか?』

ショウガや唐辛子は、汗を出すので、かえって体を冷やす食材というような言い伝えが流布しています。

私もずっと体を逆に冷やすので、よくないものかと思っていました。

しかし、ショウガ(ginger)の抽出物による過去の動物実験などでは、抗炎症作用(一酸化窒素低下、COX低下など)、抗菌作用、糖尿病への効果、テストステロン増強作用、抗がん作用など様々な健康効果が報告されています(Fitoterapia. 2011 Jan;82(1):38-43)(J Tradit Complement Med. 2015 Jan 28;6(3):199-203)(Phytother Res. 2008 Nov;22(11):1446-9)(Planta Med. 2012 Sep;78(14):1549-55)(Biomolecules. 2018 Oct 22;8(4). pii: E119)(Phytother Res. 2018 Oct;32(10):1885-1907)。

ショウガが何故このような目覚ましい効果を示すのでしょうか?

最新の研究で、ミトコンドリアを新生し、かつミトコンドリアのエネルギー代謝(糖のエネルギー代謝)を高める作用があることが報告されました(J Food Sci. 2019 Aug;84(8):2101-2111)。

さらに、私がここ数年継続してお伝えしてきた慢性病の最大の原因であるプーファ。

そのプーファ過剰によって産生される終末糖化産物(AGEs)による過剰な炎症をショウガが軽減することも示されています(Molecules. 2019 Oct 15;24(20). pii: E3705)。

(何故、糖ではなく、プーファ過剰で終末糖化産物(AGEs)が産生されることになるのかは、拙著『自然治癒はハチミツから』あるいは、基礎医学で復習しておいてください(^_−)−☆)

終末糖化産物(AGEs)による炎症を軽減するのであれば、慢性病の直接的な原因である終末過酸化脂質産物(ALEs)による炎症も軽減することは想像に難くありません。

ショウガは一時的に体温を上げて体を冷やすといいますが、そうではありません。

持続的にミトコンドリアでの熱産生およびエネルギー産生を高めて体を温め、糖のエネルギー代謝を回してくれるのです。

日本では風邪を引いた時には、昔からショウガを入れた白湯を飲む習慣がありましたよね。

そう言えば・・・・・・・・

日本では冷奴(豆腐)には必ずショウガがついていますよね。

豆腐による糖のエネルギー代謝の低下をショウガが相殺していたのですね(^_−)−☆。

ショウガは糖のエネルギー代謝を回すので、必ずショ糖、ハチミツ、フルーツなどの良質の糖質とセットで摂取することを忘れずに😊。

 

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