適度な運動が脳に良い効果をもたらすことは過去にもお伝えしました。
特に大腿などの太い筋肉を刺激すると、脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor (BDNF) )というニューロンの新生を促すタンパク質が産生されます。
そして認知機能の向上に運動と同時に注目されているのが、乳製品です(Br J Nutr 2011;106:159e174)(Am J Clin Nutr 2013;97:1076e1082)(J Am Geriatr Soc 2014;62:1224e1230)。
2019年の日本の臨床研究でも、カマンベールチーズ(発酵チーズ
、mold-fermented cheese)が脳由来神経栄養因子(BDNF)を増加させることが報告されています(J Am Med Dir Assoc. 2019 Sep 24.)。
これらの研究で私が興味を持ったのは、乳製品に含まれるある物質が、脳神経細胞の興奮を抑えたり、炎症を抑えたりする作用があることが確認されていることでした。
その物質とは、「オレアミド(oleamide)」。
オレイン酸とアンモニアが結合した物質です。
オレアミド(oleamide)は、内因性カンナビノイドのアンテナ(cannabinoid receptor 1, CB1)を刺激して、脳の興奮を抑えるばかりでなく、アミロイドタンパクを分解して炎症を抑える作用があることが報告されています(Front Pharmacol. 2017 Nov 21;8:817)。
乳製品は昔から寝る前に摂取すると熟睡できると言われてきました。
これは乳製品の脳の興奮を抑える作用があるからなのですね。
今まで乳製品については、多数の健康効果があることをお伝えしてきましたが、改めて乳製品恐るべしですね(^_−)−☆。