一時期は、「ボディマス指数(BMI)」が肥満の指標となっていました。
しかし、現在は、ウエストサイズがより肥満、糖尿病、動脈硬化などのメタボの予測因子になることが報告されています。
ウエストサイズが大きくなるのは、もちろん女性でお腹の皮下脂肪が増えることも関係していますが、より問題なのは内臓脂肪。
とくに男性は内臓脂肪がつきやすい特徴があります。
その内臓脂肪がつく原因は、もちろん食品や環境汚染などの現代社会のライフスタイルが直接的な原因です。
生命体の適合が追い付かないほどの環境の悪化が複合的に作用しているのです。
さて、よりダイレクトに内臓脂肪を増やす物質として、近年注目されているものがあります。
それは・・・・・・
「27ハイドロキシコレステロール」。
これはコレステロールから胆汁酸に変換されるときの中間産物です(このあたりはTUEETのベーシック・サイエンスで詳しく説明します(^_-)-☆)。
この「27ハイドロキシコレステロール」は、エストロゲン作用をすることで脂肪を増大させることが最新の研究で明らかになりました(Endocrinology. 2019 Aug 6. pii: en.2019-00349)。
高プーファ食で引き起こされる炎症と同じ経路を活性化することも分かりました。
「27ハイドロキシコレステロール」は、動脈硬化、乳がん、前立腺がん、アルツハイマー、骨粗しょう症とも関連していることが分かっています。
実際に「27ハイドロキシコレステロール」の変換を媒介する酵素をブロックすることで乳がんを縮小させた動物実験も報告され、現在臨床応用(製薬会社が特許薬を作成中(^_-)-☆)の段階に入っています(Science. 2013 Nov 29; 342(6162):1094-8)。
もちろん、この酵素をブロックすると胆汁酸が作れなくなるので、副作用が出てきます(根本治療ではない(^^♪)。
それよりも、「27ハイドロキシコレステロール」の一連の研究でわかることは・・・・・・・・・
エストロゲンがガン、メタボ、骨粗しょう症、アルツハイマーなどの神経変性疾患など、すべての慢性病に関与しているということですね(^_-)-☆。