発熱して病院に行くと、必ず「解熱(げねつ)剤」なるものを処方されます。
私は医師の立場として、解熱剤を極力出さないようにしてきました。
しかし・・・・・・・
解熱剤を出さないと非常に多くのクレームを頂くことになります(;^_^A。
いま熱が出てしんどいから、とりあえずは解熱させろということかも知れません。
特にインフルエンザウイルス感染などでは40℃近い高熱が出るので、解熱剤を出さないと悪評がたちます( ;∀;)。
それはさておき、。。。。。。。
1980年代にこのインフルエンザ脳症(ライ脳症)がアスピリンと関連づけられる“ビッグキャンペーン”が行われたことをみなさんはご存知でしょうか?
その後に「待っていました!」とばかりに感染症の解熱の主役をゲットしたのが、「アセトアミノフェン(パラタモール、タイレノール)」。
日本では商品名「カロナール」。
現在でもインフルエンザウイルス感染だけでなく、発熱に対して第一選択で使用されています・・・・・・( ;∀;)。
しかもアセトアミノフェンは、アスピリンや他の消炎鎮痛剤と比較しても、解熱作用を持つだけで痛みにはまったく効きません。。。。
さて、アスピリンがインフルエンザ脳症を引き起こすというデマが流されましたが・・・・・・・
事実は小説より奇なり。
実際は、アスピリンよりアセトアミノフェンを服用したケースの方がライ脳症(インフルエンザ脳症)の発症は6倍多いことが報告されています(Pediatrics. 1987 Nov;80(5):638-42)。
これまでこのアセトアミノフェンが消炎鎮痛剤を含めた解熱剤の中でも最も危険(自閉症なども引き起こす)であることを『ホルモンの真実3』DVDなどで詳述してきました。
今回新たに脳卒中との関係を調べた研究が報告されています(J Am Geriatr Soc. 2019 Mar 26)。
フランスの175施設5,429人の高齢者(平均年齢86.1歳)の前向きの調査です。
その結果、糖尿病を患っている人は、アセトアミノフェンの使用は脳卒中リスクを増加させていたとことが分かったようです。
アセトアミノフェンの過剰摂取は、重篤な肝臓障害からインフルエンザ脳症の症状を引き起こします。
今回さらに脳血管にもダメージを与えることが加わりました。
それでもこの研究論文では、「安全な第一選択薬であることに変わりはない」と書いています。。。。。。。(^_^;)
現代医療が慢性&頻回投与するものは、ほとんどが“レッド・フラッグ”ですから十分ご留意ください(^_-)-☆。
(アスピリンとライ脳症の歴史については、今後パレオ協会ニュースレターで詳述してお届けいたしますので、ご興味ある方は是非ご覧頂ければと思います(^_-)-☆。)