『ガンは“脂肪中毒”』

ハーバード大学医学部から最近のトピックである脂肪とガンの最新の研究結果が報告されました(Nature Genetics, 2018; DOI: 10.1038/s41588-017-0027-2)。

 

早速全文を読みました。

 

マウスの前立腺ガンモデルにおいて、高脂肪食でガンが増殖。浸潤・転移が促進されたという内容。そしてその分子機構を明らかにしています。

 

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この論文では高脂肪食に何を使用したのかを公開していません(何かの意図があるのでしょう)。

一般的に使用される高脂肪食は、総カロリーの50%以上をラード(または大豆油)で組成されています(つまり、現在動物実験で使用している高脂肪食は実質上、高プーファ食です)。

 

この論文でも、思わず笑ってしまったのは、フライやシチーズバーガーを飽和脂肪酸リッチとしていることです。

 

先日、東京での「病理学2・炎症総集編II」でお伝えしたように、飽和脂肪酸・オレイン酸はPRRs(パターン認識受容体)を介して炎症およびインシュリン抵抗性を引き起こします(これはランドル効果の一部)。

そしてプーファはPRRs(パターン認識受容体)を介さない経路で炎症およびインシュリン抵抗性を引き起こします(オメガ3の抗炎症作用も相殺される)。

 

この研究での結論は、「飽和脂肪酸リッチな西洋食はガンには危険だ」ということです。

 

実際は、プーファを主として投与しているのでガンを悪性化させているのはプーファですので、「プーファリッチな西洋食はガンには危険だ」というものが本当の結論です。

 

しかし、ガンの場(キャンサー・フィールド)では、飽和脂肪酸・オレイン酸もよくありません。炎症を促進するからです(これが先日何度も強調した“コンテキスト依存”です!)。

 

先日の東京の講義では、このことを理解して頂くための布石として行いました。

 

拙著『ガンは安心させてあげなさい』のガンの代謝の真実というパートで

、ガンは糖中毒ではなく、「脂肪中毒」ということをお伝えしています。

 

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今回のハーバードの論文もガンの「脂肪中毒」という私の主張を補強しています。

 

3月4日に出版記念として『ガンの根本治癒』セミナーを東京で行います。このときに、さらに新しいデータも付け加えて、ガンの“驚くべき代謝”をお伝えしていきたいと思います(#^.^#)。

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