昨日、びっくり仰天ニュースで「丸山ワクチン」が医薬品としてなぜ認可されないという歴史をやっていました。
そこには、いつもの中央薬事審議会の腐敗(製薬会社との癒着)のことも取り上げられていました。しかし、今回は純粋に「丸山ワクチン」についての真実をお伝えしたいと思います。
1800年代後半にすでに「コリーの毒素」として臨床試験結果が出ています。
これはあるバクテリアの菌体成分(エンドトキシン!)をガン患者さんに注射することで、腫瘍の縮小がみられる症例があったという報告でした。
しかし、その後の臨床試験では一定した効果があげられないことが分かり、この治療法は廃れていきました。
これに関しては、拙著『ガンは安心させてあげなさい』で詳述していますので、是非ご参考にされてください。
おそらく丸山教授は、この実験にヒントを得たのではないかと思います(一般的にはライ病、結核感染にガンが少ないことにヒントを得たとなっています)。
さて、丸山ワクチンは、結核のワクチンとして開発されたものです。主成分は、結核菌から抽出された多糖類。脂質成分です。
これは、昨年12月の炎症総集編Iの講義でお伝えした「病原体関連分子パターン(PAMPs)」と呼ばれている炎症を引き起こす物質です。
マクロファージ、好中球、リンパ球などの炎症に関連する細胞は、すべて「病原体関連分子パターン(PAMPs)」である結核の抽出成分で活性化します。
つまり、丸山ワクチンでは炎症を引き起こすために、長期的投与は必ずガンを形成します。
しかし、炎症で放出される腫瘍壊死因子(TNF)などでガンの成長が止まることもあり得ます(しかし、TNFは炎症性物質なのでガン悪液質も作ります)。炎症なので、丸山ワクチンは白血球数を増やします(抗ガン剤の白血球数減少に対して使用されています)。
丸山ワクチンは炎症を引き起こすので、組織に「線維化」も引き起こします。これが、丸山ワクチンがコラーゲンを増やす理由です(Cancer Detect Prev. 1998;22(4):340-9)。
「コリーの毒素」と丸山ワクチンの生体内における反応はまったく同じです。
炎症反応および腫瘍壊死因子(TNF)のため、ガンの増大が一時的に抑えられる場合がありますが、それはガンの根本治癒を意味しているのではなく、長期的にはマイナスになるのです。
これが、丸山ワクチンが効果ある、ないと紛糾している原因です。
こういった「免疫療法」とよばれるものは、ガンの本質を捉えていないばかりでなく、長期的には悪影響を及ぼすものです。
ガンの場の理論をしっかり理解すれば、丸山ワクチンだけでなく現在まで行われてきた様々な治療が「実際には体の中で何を行っているのか」を理解することがたやすくなります。
少し書いている内容は講義を受けた方でないと難しいと思いますが、今後詳しく解説していきますね。
今回はガンを中心した内容を出版しましたが、免疫という大きなテーマにも決着をつけるべく執筆していきたいと思います(#^.^#)。