私は、CT検査については、非常に悔いの残る経験をしたことがあります。
高校時代に自転車走行中に車にはねられて、近くの小さな救急病院に搬送されました。
そこでは、「頭蓋骨骨折」の診断を受け、ほぼ1日おきに頭部のCT検査を受けることになりました。
まだ医療についてはど素人だった私は、言われるがままに、入院1ヶ月の間に数十回も不必要なCT検査や点滴を受けたのです。
あまりに不審に思った両親が、私を公的医療機関に連れて行ったところ、頭蓋骨骨折などないという診断で、すぐに退院しました。
さて、CT検査が後年の発癌リスクを高めることは、拙著や記事でもお伝えしてきたところです。
最新の研究で、特に18歳以下で、4回以上CT検査を受けると、脳腫瘍、白血病、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)の発症リスクが2倍になることが明らかにされました(Risks of leukemia, intracranial tumours and lymphomas in childhood and early adulthood after pediatric radiation exposure from computed tomography. CMAJ April 24, 2023 195 (16) E575-E583)。
1回のCT検査では、にガンの発症リスクとの明らかな関連が認められませんでした。
しかし、2〜3回CT検査を受けると、脳腫瘍のリスクは高まりました。
私の場合は、いつガンになってもおかしくない状況といえます。
まだ私がガンで死んでいないのは、糖のエネルギー代謝を高くキープしているからです(^_−)−☆。
福島の原発事故のときに、ある人物(永田町でも“傲慢”で有名のようです)が迷言したように、「ただちに影響は出ません」というフレーズがCT検査でも言われます。
放射線を含めた毒性物質は、用量依存性に悪影響が出ます。しかし、少量であっても、予備能力の少ない現代人では、長期的に確実に悪影響が出ます。
「ただちに影響は出ません」というフレーズの本当の意味は、「ただちに影響は出ないけれども、長期的には必ず影響が出る」ということです。
今回は、若年者を対象にした調査でしたが、成人でもCT検査は確実にガンの発症リスクを高めることにご留意ください(^_−)−☆。