アレルギー反応イエットパーソナルコーチのパレオドクタ―崎谷です。
この世にはまだまだ私たちの理解の及んでいないことがたくさんあります。
「人類の終末論」というようなお伽話に熱中し世を嘆くくらいなら、この世の不思議を解明していく方に力を注いだ方が建設的ですね(^_-)-☆。
さて、その不思議の一つは、「虫刺され」です(^_-)-☆。
ある種のダニに咬まれると、なんと肉を食べるとアレルギー(food allergy)が出てしまうという話。
湿疹やひどい場合には呼吸困難を伴うアナフィラキシーショックになることもあります。
肉は牛だけでなく、羊や豚でもダメ。
このような「肉アレルギー」の存在は知られていましたが、ごく稀な症例で原因は不明のままでした。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
そこには「ダニの介在があった!」というのが今回の研究のミソです(J Immunol 2019; 203:813-824)。
ダニ(lone star ticks)に含まれるある成分と哺乳類の細胞に含まれる成分が同じということに端を発しています。
その成分とは、「ガラクトース – アルファ-1,3-ガラクトース(Galactose-alpha-1,3-galactose,commonly known as alpha gal and the Galili antigen)」(以下 「αギャル」と略す)という糖質です。
一般にタンパク質が抗原になるというのは、これもお伽話で、脂質、そして今回のように糖質も抗原(=炎症ゴミ)になり得ます。
私たちおよび類人猿には、細胞にこの糖質が含まれていません。
実験は、この糖質を体内に持っていないマウスを使用。
ダニの抽出成分をこのマウスの皮下に注射します。
その後、このマウスに肉を食べさせると、アレルギー反応が皮膚に強くでました。
マウスにダニの抽出物を皮下注射すると「αギャル」に対する抗体(Bリンパ球)が増加していました。肉を食べると、肉に含まれる「αギャル」にも抗体が速やかに反応して、皮膚の炎症を引き起こした様です。
ただし・・・・・
ウイルスに作らせた純粋の「αギャル」を皮下注射しても、このマウスに同じアレルギー反応が起きませんでした。
この研究者は、ダニの抽出成分の中に「αギャル」のアジュバント(炎症を無理に引き起こすもの)が入っているのではないかと推測しています。
私が興味をそそられたのは・・・・・・
このアレルギーの主体となったリンパ球(Bリンパ球)は、あのエンドトキシンと同じ経路で活性化されていたという事実です。
このことから、ダニの抽出成分には、バクテリア(ダニと共生している)のエンドトキシンが関与していた可能性があるということです。
私は以前からアレルギー反応にもエンドトキシンが関与しているのではないかと睨んでいました。
腸をクリーナップすると、アトピーや喘息が軽快するからです(^_-)-☆。
エンドトキシンをブロックする操作をこの実験で加えてアレルギーが再現されるかどうかを観てほしかったですね(^_-)-☆。
私もここ最近、虫刺されがひどく、痒みと湿疹がストレスによって容易に起こることから、ダニなどの虫刺されがその引き金の一つになっているのかも知れないと考えています(^_-)-☆。