群馬大大学院の神谷亘教授が、新型コロナウイルスの人工合成に成功したというニュースが流れていました(毎日新聞、11/5(木))。
国立感染症研究所から入手したウイルスの遺伝子を細菌人工染色体(BAC)に組み込み、遺伝情報を細胞内で複製して人工的に新型コロナウイルスを作り出したようです(詳細はまだ論文が見つからないので分かりません)。
私が大学院時代(20年以上前)でもすでに大腸菌を使って、遺伝子操作を普通にやっていました。
大腸菌のプラスミッドとよばれる遺伝子に目的とする遺伝子を組み込んで、培養します。そうすると、目的とする遺伝子をPCRのように増産することができます。
次作には、新型コロナウイルスが当初から人工ウイルスである証拠を挙げて詳述しています。
すでに2020年4月の時点で、『ネイチャー』誌に、化学的に遺伝子を再編して、新型コロナウイルスを人工的に作る方法が発表されています(Nature. 2020 Jun;582(7813):561-565)。
大腸菌は、遺伝子数の比較的大きいコロナウイルスは、増産が難しいため、イースト菌を使って、新型コロナウイルスの遺伝子を増産することに成功しています。
新型コロナウイルスだけでなく、すでにマーズ、ジカウイルス、RSウイルスやコウモリを宿主とするとされるコロナウイルス(新型コロナウイルスの原型)が同じ方法で作られています。
日本のバイオセィフティーレベル(biosafety level(BSL))が高くない実験室でも簡単に人工合成できたことが報告されているのですから、ウイルスというものが、かなり昔から簡単に作れたことが暴露されたようなものです。
生物学には、このようにウイルスを作る分野があり、これを「合成生物学(synthetic biology)」と呼んでいます。
この合成生物学(synthetic biology)の中で、今回のように合成したウイルス核酸を使って、完全なウイルス粒子を人工的に作り出すことを逆遺伝(reverse genetics)という言葉を使います。
このように公表されているエビデンスを繋げるだけでも、病原性ウイルスを簡単に作れることが分かります。
新型コロナウイルスに対する遺伝子ワクチンもこの手法で増産されています。
自然界に病原性をもつようなウイルスが存在しないという理由は、次作で詳述しますが、この「合成生物学(synthetic biology)」という分野にも一つの鍵があります(^_−)−☆。