無機水銀の使用には長い歴史があります。
とくに中国の皇帝が辰砂(しんしゃ)とよばれる硫化水銀鉱石から採取される無機水銀を「不老不死」の秘薬として使用していたことは有名ですね。
始皇帝も無機水銀中国で命を落としたといわれています。
これは、水銀は鉄やヒ素と同じく猛毒なので、細菌・微生物を殺す力がある(ということは人間も。。。と想像を働かせましょう(*^_^*))ことからワクチンなどに使用された経緯があります。
いままでこの無機水銀は有機水銀のような毒性がないといわれてきました。
そのため、歯の詰め物にも利用されています(アマルガムなどの合金)。
一方、私たちになじみ深い「有機水銀」はなんといってもサイメロサール(商品名:マーサイオレイト、イーラリリィー社)。これは人工的に無機水銀を有機化したもの。
ワクチンに混入されていることで問題となっています。
有機水銀はメチル水銀といって、いわゆる「水俣病」を引き起こした張本人です。特に神経に毒性が強いことから、有機水銀汚染された魚を食べると脳機能障害が起こることが分かっています。
(といっても無機水銀でも神経・脳障害、腎臓障害、自己免疫疾患が起こります。。。。)
今回、この定説?を覆すような研究結果が報告されました(JBIC Journal of Biological Inorganic Chemistry, 2015; 20 (8): 1239)。
それは比較的安全と主張され、歯の詰め物に混入されている「無機水銀」の方が水俣病を引き起こした「有機水銀」よりも毒性が強いというもの。
実験は大腸菌にそれぞれ「無機水銀」「有機水銀」を暴露。
生命体は、毒性の強い重金属を処理するのにフリーにならないようにタンパク質と結合させます。
そのとき、タンパク質の構成要素であるアミノ酸のチオール基という部分を使用します。
このチオールの消費がより「無機水銀」の方が多かったといいます。
つまり、それだけ毒性が強かったということ。
また「無機水銀」の方が圧倒的に体内に蓄積されている猛毒の重金属・鉄をフリーにしてしまう(鉄とタンパク質を分離させる)効果が高かったようです。
鉄を体内で暴れさせるのは大変危険です。
鉄こそは長鎖不飽和脂肪酸・エストロゲンとともにフリーラジカルズ(活性酸素種)の最大の原因だからです。
今後はワクチンや歯の詰め物をする場合には、有機・無機に限らず水銀が含まれていないかをしっかり確認しましょう)^o^(。
今後はワクチンや歯の詰め物をする場合には、無機水銀が含まれていないかをしっかり確認しましょう)^o^(。