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『私たちの体を支える「水とコラーゲンの絶妙なダンス」』

 

 

私たちの体の約4分の3は水でできています。水の器に生命が宿るというのは大袈裟な表現ではありません。拙著『水と命のダンス』『これらかの心身を整える「共鳴力」の鍛え方』にも多数のエビデンスをご紹介したように、水が生命や意識を生み出すからです。

 

 

そして、その水は、私たちの体を形作る重要な建築材料であるコラーゲンの構造そのものを決定していることが、最新の研究でも明らかになりました。

 

 

 

アムステルダム大学が主導した国際研究チームは、2024年に発表した論文で、水がコラーゲン分子の自己組織化においてどのような役割を果たしているのかを解明しました(1)。研究チームは、通常の水をその「双子の分子」とも言える重水(D2O)に置き換えることで、タンパク質の周囲の水層をほんのわずかに乱れ、コラーゲンの組み立てに劇的な悪影響が及ぶことを示しました。

 

 

 

⭐️水がコラーゲンの形成を決定する!

コラーゲンは、まさに「私たちを構成する材料」と言えます。私たちの体内の全タンパク質の約3分の1がコラーゲンであり、人体のすべての結合組織の機械的な完全性を保証しています。たとえば、私たちの皮膚や動脈は破れることなく伸縮し、骨は高い応力にも折れずに耐えることができます。これは、コラーゲンが私たちの体の「鉄骨」のような役割を果たしているからです。

 

 

 

コラーゲンは細胞によって単一のタンパク質として生成され、それが集まってより大きな構造体である「フィブリル(線維)」を形成します。これらのフィブリルはさらに集まってネットワークを形成し、組織の足場となります。

 

 

 

タンパク質との相互作用において、水の水素が重水素に置き換わった重水素水(D2O)はH2Oよりも効力が弱くなります。これは、D2O分子間の結合(いわゆる水素結合)がH2O分子間の結合よりも強いためです。この違いが、コラーゲンなどのタンパク質との相互作用に悪影響を与えます。

 

 

重水とコラーゲンタンパク質との相互作用が弱まることで、タンパク質がD2O分子を「振り払い」、自己再編成することが容易になります。しかし、これによりコラーゲンネットワークの形成が促進されますが、同時により雑で、最適とは言えないコラーゲンネットワークが生成されます。

 

 

水は、まるで熟練した職人が急がずに丁寧に仕事をするように、コラーゲンの組み立てをゆっくりと導いているのです。この組み立ては、通常の水の水素が重水素に置き換わるだけで問題が起こるということです。

 

 

 

拙著でも繰り返しお伝えしているとおり、水の構造化とタンパク質の機能との関係は、生体エネルギー医学の観点からも重要です。細胞内の水の構造は代謝状態と密接に関連しており、構造化された水は細胞の効率的なエネルギー生産を支えています。

 

 

コラーゲンのようなタンパク質が機能するには、構造水に蓄えられているエネルギーが必要です。今回の研究では、構造水のことには触れていませんが、その水にちょっとした異常が起きることで、体の結合組織を構成するコラーゲンのネットワークに異常が起こることを示したものです。

あらためて、水と命の関係の深さを傍証した研究結果でした。

 

 

参考文献

  1. Giubertoni G, et al. Elucidating the role of water in collagen self-assembly by isotopically modulating collagen hydration. Proc Natl Acad Sci U S A. 2024;121(11):e2313162121.
  2. Shoulders MD, Raines RT. Collagen structure and stability. Annu Rev Biochem. 2009;78:929-958.
  3. Bella J, et al. Hydration structure of a collagen peptide. Structure. 1995;3(9):893-906.
  4. Leikin S, et al. Direct measurement of forces between self-assembled proteins: temperature-dependent exponential forces between collagen triple helices. Proc Natl Acad Sci U S A. 1994;91(1):276-280.
  5. Pollack GH. The Fourth Phase of Water: Beyond Solid, Liquid, and Vapor. Seattle: Ebner and Sons; 2013.

 

 

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