◆パレオ協会基礎医学Q&A ◆
今回は、重曹のガンへの効果についての基本的な回答をシェアいたします。
(ご質問)
お世話になります。いつも有益な情報ありがとうございます。
重曹が癌に有効かどうかご教示ください。最近は医師の中にも「重曹が癌に有効」であると声高に言っている人が増えている印象があります。
重曹を摂取するとこで癌細胞の増殖を抑え、死滅させることができると。
これはリアルサイエンスの見地から如何でしょうか?重曹には糖のエネルギー代謝を高める作用があるので、身体にはよいと思いますが癌の縮小効果や癌を治癒させるほどの効果があるのでしょうか?
仮に癌治療目的で使うとすれば1日どれくらいの量を使う(飲む)のがよいでしょうか?
重曹を癌治療として推進している医師は1日10~15gの使用を推進しています。
1日10g~15g重曹を使うとなると、かなり胃酸を抑制するので胃酸を抑制しまうことによるデメリットもあるように思いますがどうでしょうか?
PPIを使用して胃酸を抑制すると様々な疾患を誘発することがわかっていますので重曹も使用量が多くなるとメリットばかりではなくデメリットがあるのではないかと考えてしまいます。
そのあたりをご教示ください。よろしくお願いいたします。
お忙しい中、本当に恐縮ですが、よろしくお願いします。
(回答)
・近年、重曹のナノ粒子がガン治療で有効であることが報告されるようになりました(Sodium Bicarbonate Nanoparticles for Amplified Cancer Immunotherapy by Inducing Pyroptosis and Regulating Lactic Acid Metabolism. Angew Chem Int Ed Engl. 2023 Oct 2;62(40):e202307706)。重曹は、細胞内で二酸化炭素濃度を高める作用があるため、糖のエネルギー代謝が高まります。それによって白血球の貪食作用も上がるため、ガンで起こっている免疫抑制に対抗します・・・・・・