加工食品の食感を豊かにするために「増粘剤(ぞうねんざい)」という添加物が入れられています。
以前から、この増粘剤に使用されるカラギナン(紅藻類から抽出される)の発癌性が問題になっていました(Food additive carrageenan: part II: a critical review of carrageenan in vivo safety studies. Crit Rev Toxicol. 2014;44(3):244–69. )。
特に、カラギナンは乳がんリスク上昇との関連が報告されています(Consumption of carrageenan and other water-soluble polymers used as food additives and incidence of mammary carcinoma. Med Hypotheses. 2001;56(5):589–98. )。
カラギナンに代表される増粘剤は、腸粘膜に炎症を引き起こし、腸粘膜に存在する腸内細菌を血液中に入れてしまいます(Carrageenan as a Potential Factor of Inflammatory Bowel Diseases. Nutrients. 2024 Apr 30;16(9):1367.)。
このことによって、腸内細菌の構成要素であるエンドトキシンが血液中で激しい炎症を引き起こします。
結果的に、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸炎だけでなく、癌、糖尿病などのメタボロックシンドロームなどあらゆる病態を引き起こします(Carrageenan in the Diet: Friend or Foe for Inflammatory Bowel Disease? Nutrients. 2024 Jun 6;16(11):1780.)。
最新の臨床試験(ランダム化二重盲検クロスオーバー試験)においても、過体重の人においてたった2週間の摂取で、インシュリン抵抗性の上昇(=2型糖尿病の発症)、脳を含む全身の炎症の増加が認められました(Carrageenan and insulin resistance in humans: a randomised double-blind cross-over trial. BMC Med. 2024 Nov 26;22:558.)。
臨床試験を長期に行うと、過体重でない人でも、全身の炎症の加速によって、様々な病態を引き起こすでしょう。
牛乳やアイスクリームなどの乳製品が悪玉化されるのも、飽和脂肪酸が原因ではなく、多くはこのカラギナンやグアガムなどの増粘剤の添加によるものです。
またカラギナンなどの増粘剤は、加工肉(ソーセージ、ジャーキー)にもよく添加されています。
乳製品や肉類を購入されるときには、この増粘剤が添加されているかを十分に確認しましょう(^_−)−☆。