皆さんは、最近「人の顔が思い浮かんでも、名前がなかなか出てこない」という経験がないでしょうか?
あるいは、パスワードが思い出せない・・・・・(^_^;)
高齢者に起こるという認知症も、今や若年の知能の低下とともに、低年齢化しています。
認知症の代表的なアルツハイマー病やパーキンソン病あるいは糖尿病の原因として、アミロイドと呼ばれる変性タンパク質が脳や膵臓に沈着しています。
拙著『病はリポリシスから』では、そのアミロイドタンパクは、プーファから産生されるアルデヒドがタンパク質に結合したものであることをお伝えしました。
今回、最新の研究で、アミロイドタンパクを調べると、大部分がエンドトキシン結合タンパク質(lipopolysaccharide binding protein (LBP))であったことが報告されました(Amyloid, 2019; 1)。
エンドトキシン結合タンパク質(LBP)とは、皆さんの小腸がリーキーガットになるか、SIBO(小腸腸内細菌異常増殖症)になると産生が高まるタンパク質です。
今回の実験では、高齢メスラットの乳腺に蓄積していたようです。若年のメスラットには、アミロイドは蓄積していなかったようです。
ラットは、アミロイドが蓄積しないと考えられていましたが、それは短命だからです。
しかし、この短い一生の間(あくまでもヒトとの比較にすぎませんが)でもアミロイドが蓄積することが分かったとしています。
これは大変示唆に富む研究内容です。
なぜなら、私たち現代人は腸内細菌が過剰増殖(=エンドトキシンが過剰産生)し、エンドトキシン結合タンパク質(LBP)の体内産生が高まっているからです。
人間の脳も含めた各組織に、このエンドトキシン結合タンパク質(LBP)が変性してできたアミロイドタンパクが蓄積している可能性があると思います。
この様にようやくみなさんの腸の状態がアルツハイマー病などの認知症を引き起こしていることが報告される様になったのです(Front Aging Neurosci. 2019 Jun 26;11:143)。
みなさんの腸の状態が認知症や糖尿病と関係している(拙著『慢性病は現代食から』)という事実をさらに補強するような研究内容でした。
最近、物覚えが悪くなった、あるいは物忘れがひどくなったというあなた。
ひょっとすると、腸内細菌が過剰増殖しているかも知れません(^_−)−☆。