『抗がん作用が謳われている物質について〜その2』

今日はアミグダリンについてのご質問の二つ目です。

「微量であれば問題ないのではないか?」というご意見について。

はい。

これは添加物推進派と同じ発想です。

この発想は大きく間違っていることをパレオ協会ニュースレターでも詳述しました。

毒性物質に対する考え方の基本は、累積(cumulative)&相互作用(interaction)です。

累積(cumulative)というのは、私たちはアミグダリンだけでなく、日常的にプーファ、エストロゲン、農薬、水質・大気汚染、重金属、医薬品、サプリ、電磁波、騒音などの毒物が蓄積していることを指しています。

しかも、この蓄積は一個人だけではなく、その子々孫々まで蓄積していきます(環境遺伝)。

この毒物の蓄積によって、加齢とともに糖のエネルギー代謝が低下していくのです。

一つ一つの量が少なくても、日常的に累積していけば、ある時点で症状が出ます。これが私の「樽理論」です。

(アミグダリンの場合は、直接ミトコンドリアを死滅させ、乳酸を蓄積させるために、少量であっても、最後の“一刺し”になる可能性があります。)

これらの毒性物質一つ一つの処理に、大切な資源であるエネルギーが消費されていくのです。

したがって、毒性物質による「ホルミシス効果(hormesis)」というような現象は、実際の生体内では起こりません。

そもそも、糖のエネルギー代謝が高くないと、毒性物質によるストレスに対応できないのです。ホルミシスどころではなく、その場合はガンや慢性疾患となって顕在化してきます。

そして、毒性物質間の相互作用についてです。

私たちの脳では、精々2つの毒性物質の相乗効果くらいしか分かりません。それでも全ての2つの毒性物質の相互作用について分かっている訳ではありません。

この毒性物質が3つ以上にもなれば、どのような相互作用が起こるのか予測さえもできないのです。

ある毒性物質が微量であっても、他の毒性物質との相互作用は甚大になる可能性もあるということです。

このように本当のサイエンスとは、生命の基本をしっかりと学ぶことで、「想像力(imagination)」を働かせることを言うのです。

想像力は俯瞰力と言い換えても良いでしょう。

現代人の著しい“想像力”の低下が、“創造力”の低下を招き、医学・健康の分野だけでなく、あらゆる分野での大混乱を招いているのです。

現代社会に深く横たわる漠然とした不安・焦燥・無力感も、すべて想像力の欠乏がもたらすものです(^_−)−☆。

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