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『芸能人が拡散する「血液クレンジング」の正体!』

市川海老蔵さんなどの多数の芸能人がSNSなどで「血液クレンジング」を拡散しているという記事がヤフーニュースに掲載されていました。

この「血液クレンジング」に関しては、過去にも何度かその危険性を取り上げました。

血液クレンジングは100mlの血液を採取し、医療用オゾンを血液に加えた後で体内に戻す治療法。

採取時にはどす黒い色をしていた血液が、オゾンと反応することで「一瞬で鮮やかな赤に変色」するといいます。

ヤバイ!・・・・・・・

これは子供だましです(最近は子供のほうが成人よりもずっと認知能力は高い(^_-)-☆)。

血液が赤色に変色するのは、赤血球がオゾンによってダメージを受けて壊れ、鉄がフリーになって放出されるからです(Mediators Inflamm. 2007;2007:26785)。

フリーの鉄の危険性はもう何度もお伝えしました。

このときには、ミトコンドリアの機能を止める窒息物質である一酸化炭素(CO)も放出されます。さらには同じミトコンドリア毒である一酸化窒素(NO)、活性酸素・窒素種の産生も高まります・・・・・・・

このようなオゾンによってダメージを受けた自己血を自分の血管内に戻すことで何が起こるのでしょうか?

フリーの鉄、活性酸素・窒素種、一酸化窒素・炭素・・・・。

これにプーファ(PUFA)があると”オールスター”(夢の競演)です。

血液内あるいは細胞内で脂質過酸化反応が進み、たくさんのアルデヒド(発がん物質)が体内に発生することになります(Int J Mol Sci. 2019 Feb; 20(3): 634)(Med Gas Res. 2018 Jul-Sep; 8(3): 103110)。

さらに、オゾンによってダメージを受けた自己血を戻すことで

●一酸化窒素(NO)の増加

●糖のエネルギー代謝のブロック(解糖系の亢進)

●細胞分裂促進

●抗酸化物質の増加

などのストレス反応が起こることがすでに報告されています(Oxid Med Cell Longev. 2014; 2014():273475)(Crit Rev Toxicol. 2013 Aug; 43(7):580-606)。

これを一般の人ならともかくも、医師でさえ、慢性病の原因であるこれらのストレス反応を「ホルミシス(Hormesis)」と勘違いしている人が多いので始末に負えません(^_-)-☆。

放射性物質でさえ、原発業界が創作した「ホルミシス(Hormesis)」があると喧伝している研究者も存在するのがこの世の中です・・・・・(「今だけ、金だけ、自分だけ」の世界ですね(^_-)-☆)

上記に挙げた参考論文も、このような死に至る作用があることを明記しているにも関わらず、一定の効果があると主張している始末です。

倫理的に毒性が確認されている物質を用いた臨床試験は行えませんが、きちんとした臨床研究デザインでやると、オゾン療法の危険性は明らかになるでしょう。

血液クレンジングを推進する日本酸化療法医学会会長は、取材に対して「年間7万人以上受けているが、この10年間、副作用の報告もない安全な治療。(科学的な根拠を示す)臨床試験は費用がかかるし、世間の『オゾンは危険』という思いこみがあるからできないだけだ」と回答した記載されていました。

オゾン治療で成人性アトピー(複数の副作用の中でもっとも軽症のタイプ)を発症した数名の方を経験しましたが、治療で悪くなった人は、二度とそのクリニックには行かないだけです。

『オゾンで副作用がない』という方がひどい思い込みなのです。

酸化療法学会と名前がついているのに、実際は抗酸化物質(過剰になると発がん作用)を体内で作り出すという治療を行っていることに気づいていません……。( ;∀;)

驚いたのは・・・・・・

「血液クレンジング」を行っているクリニックのホームページで、堂々と大きな文字で「究極のアンチエイジング」と銘打たれ、「治療の効果」という欄には、がんやHIV、アトピー、糖尿病、パーキンソン病、アルツハイマーなどの疾患への「効果が報告されています」と記載されているということ。

あれ、現代医療以外で治療効果を謳ったり、それを匂わすような行為は薬事法に抵触するのではなかったの????

これ、私がやれば一発で医師免許はく奪の上、市中引き回しの刑になります(^_-)-☆。

なぜ官庁が取り締まらないのでしょうか?

ということは、この広大広告を打っている人たちは現権力層に”コネ(あるいは血脈)”があるということです・・・・・(善良な日本の方々には、こういうことも気づくようになって欲しいです)

一般の日本人がなれない芸能人という商売。

この芸能人が勧める(ほとんどがステルス洗脳)ということは、これは組織的なものが背後にあることにも敏感に感じ取って頂きたいです。

最後にオゾンは大気汚染物質であることを何度もお伝えしてきました。

大気中のオゾンによる健康被害が近年も多数報告されている中、それをダイレクトに血液と反応させたものを入れるという行為について、良識を働かせてほしいと思います(^_-)-☆。

 

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