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【牛を放つだけで、死んだ山がよみがえる】

【牛を放つだけで、死んだ山がよみがえる】

 〜長崎・西海市「森川放牧」見学記〜

 

重機も、大がかりな工事も使わない。 ただ牛を山に放つだけで、荒れた山が息を吹き返していく。 今日、その現場をこの目で見てきました。

 

 

 

■ 出迎えてくれたのは、白い案内人「シロ」

長崎県西海市の森川放牧を訪ねると、最初に迎えてくれたのはワンちゃんの「シロ」でした。 森川さんたちが放牧を始める前から、この土地で暮らしていたそうです。 いまだに一体何を食べて生きているのか知らないそうです。人懐っこくて、とにかく可愛い! 口に含んでいた飴玉を2つ食べてくれました😃。

 

 

 

 

シロの案内で、黒牛たちが暮らす放牧場へ向かいました。

 

■ ここは、もともと「死んだ山」だった

この放牧場は、かつて日本のどこにでもある”死んだ山”でした。 手入れされない杉の人工林が密集して日が差さず、地面はシダやササに覆われた藪(やぶ)の山です。

 

 

 

■ 日本の山と海で、いま起きていること

手入れの行き届かない人工林は藪になり、土は痩せ、森の恵みが失われていきます。 近年は、山肌を切り開いたメガソーラーも各地に増えています。

 

 

 

山に食べ物がなければ、イノシシやシカ、クマは人里へ降りてくるしかありません。 痩せた山からは海へ届く栄養も細り、下流の海まで痩せていきます。 保水力を失った土は、少しの大雨でも崩れやすくなります。

 

 

 

山が荒れると、獣害、海の衰え、土砂災害へと次々につながっていきます。 これは遠い話ではなく、私たちの暮らしのすぐそばで起きていることです。

 

 

 

■ 「重機がなければ無理」という常識がくつがえる

藪になった山に空気と水の流れを取り戻すには、ユンボなどの重機で大がかりな工事をするしかない。 これまではそう考えられてきました。

 

 

 

ところが──

 

 

 

森川放牧では、牛を藪の山に放つ。たったそれだけで、こうした問題をまとめて解決しているのです。

 

 

 

■ 牛が「ならし」「食べ」「肥やす」

牛は藪を踏み分けて地面をならしながら、草を食べます。 そして落とした糞が、土を豊かにしていきます。 今回はその様子を、すぐ目の前で見ることができました。

 

 

 

驚いたのは、この牛たちがもともと肉牛として育てられる畜産用の牛だということです。 その牛たちを、山の土をよみがえらせるためだけに活かしています。 この発想の転換には、心からうならされました。

 

 

全国の荒れた山と、痩せた海。 それを取り戻すための、いちばん手っ取り早く、いちばん自然な方法だと感じました。

 

 

 

 

■ 糞から「土の香り」がする

もうひとつ印象に残ったのが、牛の糞の香りです。 輸入飼料に頼らず山の草を食べて育っているからでしょうか。 まるで土のような香りがしました。

 

 

■ 自然のことは、自然に任せる

人間の浅い知恵で、軽々しく自然に手を加えない。 自然のことは、自然に任せる。

 

 

 

その答えが、目の前で静かに、そして力強く示されていました。 山と海の未来を変えるのは、最先端の技術ではなく、自然そのものの営みなのかもしれません。

 

 

 

深い感動を覚えた一日でした。 森川放牧の皆さま、素晴らしい気づきをいただき、本当にありがとうございました。

 

 

 

あなたの身近な山は、いまどんな姿をしていますか? 感じたことをぜひコメントで聞かせてください。

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