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◆パレオ協会ニュースレター◆   『黒死病(ペスト)の真実』〜その1 』

◆パレオ協会ニュースレター◆

黒死病(ペスト)の真実』〜その1

黒死病は人類史上最も壊滅的な伝染病のひとつと語り継がれてきました。ヨーロッパで最初に発生した中世のペストであり、1347年から1351年の間に数千万人、推定でヨーロッパ人口の30~50%が死亡したとされています(Poos LR (1991) A rural society after the Black Death: Essex, 1350–1525. Cambridge: Cambridge University Press.)(The temporal dynamics of the fourteenth-century Black Death: new evidence from English ecclesiastical records. Hum Biol. 2003 Aug;75(4):427-48.)。黒死病(ペスト、the plague, black death)は、ペスト菌(Yersinia pestis)によって引き起こされる人類の疫病とされています。しかし、この細菌は現在も世界中に存在しています。それにもかかわらず、私たちは誰もペストにかかっていないようです。これは黒死病細菌の教義における多くの矛盾の1つに過ぎません。

14世紀にヨーロッパでペスト(黒死病、the plague,black death)が蔓延した原因として、ネズミが長い間非難されてきました。具体的には、1347年から1351年の間に推定2500万人がペストで死亡した原因は、ネズミに寄生するノミにあると歴史家たちは推測しています。しかし、新しい研究では、ペストを蔓延させたノミやシラミの主な媒介者はネズミではなく、人間であった可能性を示唆しています。

2017年1月に学術誌『Proceedings of the National Academy of Sciences』で発表されたある研究で、研究者たちはヨーロッパの都市におけるペストの発生をシミュレーションし、ペストがどのようにして広がったのかを理解しようと試みました。シミュレーションでは、感染の可能性がある3つのモデル、すなわちネズミ、空気感染、そして人間が体や衣服にまとっているノミやダニに注目しました。

そもそも、ネズミがペストを広めているという考えがどこから来たのかは明らかになっていません。結局のところ、研究者たちは「そのような主張を裏付ける歴史的・考古学的証拠はほとんどない」と書いています(Human ectoparasites and the spread of plague in Europe during the Second Pandemic. Proc Natl Acad Sci U S A. 2018 Feb 6;115(6):1304-1309.)。ペストの拡大があまりにも急速であったため、ネズミが感染源である可能性は低いというのが専門家の一致した見解です。もしネズミが本当にペストの主な原因であったなら、死んだネズミの考古学的証拠がもっと多く見つかるはずです・・・・・・・・・・・

 

 

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