『糖尿病専門医が勧める「糖尿病になる方法」』
あなたは医師から「油を積極的に摂りましょう」と言われたことはありませんか?最近では、「脂質起動」なる言葉を作り出し、唐揚げなどの揚げ物を推奨する糖尿病専門医もいるほどです。しかし、その裏には私たちの健康を脅かす恐ろしい真実が隠されています。
今回は、現代医学の「常識」とされている油に関する情報の危険性について、最新の科学的知見をもとに解説します。特に、糖尿病との関連について、誰にでもわかるように説明していきましょう。
この糖尿病専門医が主張する油を主食とする高脂肪食やケトン食は極めて危険な偏った食事方法です。
そして、その偏った食事法で使用される“質の悪い”油であるプーファは、糖尿病、心臓血管疾患、肥満などのメタボリック・シンドロームの主因となります。
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油はすべて同じではない – プーファの危険な正体
「油」と一言で言っても、その種類は実に様々です。特に注目すべきは「プーファ(多価不飽和脂肪酸、オメガ3&6)」と呼ばれる油です。
プーファとは何でしょうか?簡単に言えば、分子構造に複数の「二重結合」という不安定(酸化しやすい)な部分を持つ油のことです。この不安定さが、私たちの体内で大きな問題を引き起こします。
身近な例を挙げると、サラダ油、コーン油、大豆油、ひまわり油などの植物油や、魚油に含まれるオメガ3脂肪酸などがプーファに該当します。そして、唐揚げやフライドポテトなどの揚げ物に使われる油も、このプーファが主成分です。
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プーファが糖尿病を引き起こす
現代の糖尿病は、インシュリンという細胞の糖の取り込みを促すホルモンの作用が弱くなったことで発生する2型糖尿病と呼ばれるものが大半です。
この2型糖尿病では、細胞のインシュリンのアンテナ機能が低下することで、細胞が糖質を取り込むことができなくなります。
これを専門用語で「インシュリン抵抗性(インシュリン感受性の低下)」と呼びます。
プーファはまさに細胞のインシュリンのアンテナの機能にダメージを与えて高血糖を引き起こす主因となっています。
具体的には、体内に取り込まれたプーファはすぐに体内(消化管、血液内)で脂質過酸化反応を引き起こし、猛毒の過酸化脂質(アルデヒド類)を発生させます。
このプーファから体内で発生する過酸化脂質が細胞のインシュリンのアンテナを壊してしまうのです。
車のエンジンを想像してみてください。良質なガソリンを入れれば、スムーズに燃焼して効率よく動力に変わります。しかし、不純物の多い粗悪なガソリンを入れると、エンジン内で不完全燃焼を起こし、有害な物質を発生させながら機能が低下していきます。
プーファは私たちの体内でまさにこの「粗悪なガソリン」のような働きをします。体内に入ったプーファは、その不安定な構造のせいですぐに「脂質過酸化反応」という化学反応を引き起こし、「過酸化脂質(アルデヒド類)」という猛毒の物質を大量に発生させるのです。
さらにオメガ3や植物油脂(調理油)から容易に体内で発生する過酸化脂質は、炎症を加速させるためインシュリン抵抗性が強くなっていく悪循環が起こります。
参考文献
・The lipid peroxidation by-product 4-hydroxy-2-nonenal (4-HNE) induces insulin resistance in skeletal muscle through both carbonyl and oxidative stress. Endocrinology. 2012 May;153(5):2099-111.
・Skeletal muscle insulin resistance is induced by 4-hydroxy-2-hexenal, a by-product of n-3 fatty acid peroxidation. Diabetologia. 2018 Mar;61(3):688-699.
・Regulation of NF-κB-induced inflammatory signaling by lipid peroxidation-derived aldehydes. Oxid Med Cell Longev. 2013:2013:690545.
4-Hydroxy-Trans-2-Nonenal in the Regulation of Anti-Oxidative and Pro-Inflammatory Signaling Pathways. Oxid Med Cell Longev. 2019 Nov 6;2019:5937326.
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飽和脂肪酸はプーファのスケープゴート
では、なぜ現代医学ではこのプーファの危険性がきちんと伝えられていないのでしょうか?
その鍵は「遊離脂肪酸(free fatty acids, FFAs)」という曖昧な言葉にあります。多くの医学論文では、「遊離脂肪酸が高いと糖尿病リスクが上がる」と報告されています。
実際に、血液中の遊離脂肪酸濃度を人工的に高めたヒトの実験で、骨格筋でのインシュリン抵抗性が発生することが示されています。
このようなプーファの危険性を覆い隠すために、現代医学では、「遊離脂肪酸(free fatty acids, FFAs)」と言う言葉が使用されています。
しかし、「遊離脂肪酸」とは、単に中性脂肪から遊離(フリー)になった状態の脂肪酸の総称であり、プーファも飽和脂肪酸も区別せずに一緒くたにした言葉なのです。
ここで重要なのは、プーファは体内で酸化して有害物質を生み出しますが、飽和脂肪酸はそのような性質がないという点です。例えるなら:
・プーファ:不安定な爆発物のような油(酸化しやすく有害物質を生成)
・飽和脂肪酸:安定した油(酸化せず、過酸化脂質が発生しない)
両者は明らかに異なるにもかかわらず、「遊離脂肪酸」という言葉で一括りにされ、さらには飽和脂肪酸こそが悪者であるかのように語られているのです。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか?一つの要因として、植物油産業からの多額の研究資金提供の影響を無視できません。植物油(調理油)の主成分はプーファであり、もしプーファの危険性が広く知れ渡れば、産業界に大きな打撃となるからです。
参考文献
・Fasting plasma free fatty acids and risk of type 2 diabetes: the atherosclerosis risk in communities study. Diabetes Care. 2004 Jan;27(1):77-82.
・Mechanism of free fatty acid-induced insulin resistance in humans. J Clin Invest. 1996 Jun 15;97(12):2859–2865.
・Plasma Lipidomic n-6 Polyunsaturated Fatty Acids and Type 2 Diabetes Risk in the EPIC-Potsdam Prospective Cohort Study. Diabetes Care. 2023 Apr 1;46(4):836-844.
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脂質起動は糖尿病になる素晴らしいレシピ
「脂質起動」を提唱する医師たちは、「糖質を減らして脂質を摂れば健康になる」と主張しています。しかし、彼らが推奨する唐揚げなどの食品に使われる油のほとんどが、糖尿病の原因となる過酸化脂質を発生させるプーファを多く含む植物油です。
結論を言えば、現在の「脂質起動」ブームは、まるで「糖尿病になるためのレシピ」を広めているようなものです。
しかもその背景には、プーファ産業(サプリ・植物油・マーガリン業界)から莫大な資金提供を受ける医学界の構造的問題が横たわっています。
こうした“栄養学の常識”は、サイエンスというよりも利害関係の産物であることを、私たちはそろそろ見抜くべきなのです。