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「抜け始めて分かるー人気の“断食ダイエット”に警鐘」

抜け始めて分かるー人気の“断食ダイエットに警鐘

 

「間欠的断食(Intermittent Fasting、略称IF)」──このダイエット法が世界中でブームになっています。

 

 

朝食を抜く、1日1食にする、あるいは16時間の断食を日課にするなど、SNSでは「健康に良い」「痩せる」と絶賛の嵐。

 

 

しかし今、医療の現場からでさえもまったく逆の“危険信号”が鳴り始めています。

 

 

 

警告するのは現役の医師たち

最新の研究で、間欠的断食が私たちの健康に深刻な悪影響を与えている可能性が明らかになりました。

 

 

 

これまで間欠的断食は「脂肪だけを効率よく減らせる」と信じられてきました。しかし、実際には筋肉量の減少が脂肪減少を大きく上回るケースが多いことが判明しています。

 

 

 

筋肉と脂肪の減少比率は2:1で筋肉に不利となり、これは健康面で極めて深刻な結果です。体重減少は、理想とする脂肪の減少ではなく、筋肉を失っての犠牲に成り立っていたということです。

 

 

さらに、睡眠障害や精神疾患、不妊症などのリスクも指摘されており、ある医師は、「自分自身も間欠的断食をやめ、患者への推奨も取り下げた」と語っています。

 

 

 

そして、断食の副作用としてとくに注目されたのが「髪が生えなくなる」という衝撃的な結果です。

 

 

 毛髪再生が止まる!? 研究が示した驚きのメカニズム

英科学誌『Cell』で発表された研究では、断食によって脂肪組織が急速に分解され、遊離脂肪酸(現代人はプーファ)が全身に放出されることが確認されました。

 

 

 

これが毛根の幹細胞に酸化ストレスを与え、髪の再生が止まるのです。

 

 

この仕組みは、糖質が枯渇した際に体が脂肪を分解してエネルギーを補う「脂肪酸酸化(FAO)」(メタボリック・スイッチ)によるものです。

 

 

 

脂肪を燃料とすると、活性酸素種が過剰に放出されて、プーファの脂質過酸化反応が発生します。その過程で発生する過酸化脂質(アルデヒド類)は、私たちを構成するあらゆる組織を破壊します。

 

 

 

研究者は、「断食は髪の再生に必要な幹細胞を破壊する」と警告しています。

 

 

 

実験結果:人でもマウスでも「脱毛」

この研究では、マウスに16:8断食や隔日断食を行わせたところ、通常の食事をしていた群よりも毛の再生が90日後でも遅れていました。

 

 

さらに、健康な若年成人49名を対象にした臨床試験では、断続的断食を行ったグループで髪の成長速度が18%も減少するという結果が出ています。

 

 

 

「脂肪燃焼=健康」ではない?脂肪酸(プーファ)の毒性

断食による“脂肪燃焼”は一見良いことのように思えますが、実際には体が過度のストレスにさらされ、細胞は酸化ダメージを受けます。

 

 

 

これは糖尿病や肝腎障害といった疾患とも関連が深く、特にリポリシス(脂肪分解)やFAO(脂肪酸の燃焼)による遊離脂肪酸(プーファ)の血液中の増加は、毒性を持つことが知られています。

 

 

 

「その断食、本当に続けますか?」

特に、筋肉量の減少や脱毛リスクに関する新知見は、これまでの「健康神話」に一石を投じるものです。

 

 

 

流行に乗る前に、立ち止まって考えてください。体重が減ったとしても、筋肉、髪、そして心の健康までも失っていませんか?

 

 

 

健康を目指す断食が、実はあなたの体をじわじわと蝕んでいるかもしれないのです。

 

 

参考文献

・Intermittent fasting triggers interorgan communication to suppress hair follicle regeneration. Cell. 2025 Jan 9;188(1):157-174.e22.

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