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『プラスチックリサイクルの衝撃的真実:あなたの健康を脅かす”エコ”の落とし穴』

プラスチックリサイクルの衝撃的真実:あなたの健康を脅かす”エコ”の落とし穴

 

 

あなたは、「プラスチックをリサイクルすれば環境に良い」と信じていませんか?

 

 

実は、その考えが私たちの健康を脅かしているのです。

 

 

 

プラスチックは、モノマー、未反応中間体、染料、充填剤、酸化防止剤、難燃剤(FR)、紫外線安定剤、界面活性剤、可塑剤などの添加剤の複雑な混合物から構成される「超加工品」です。

 

 

したがって、プラスチックのライフサイクル(生産、使用、廃棄)の過程で、多くの添加剤が移動し、人体や環境の健康に脅威をもたらします。

 

 

 

テレビやパソコンの筐体(きょうたい、外枠)などに使用された臭素系難燃剤(PBDEs、HBCDs)や有機リン系難燃剤(OPFRs)を含むプラスチックが、通常の廃棄物処理工程でリサイクル材に混入します。

 

 

その結果、リサイクルプラスチックで作られた家庭用品にこれらの難燃剤が入ります。

 

 

難燃剤はエストロゲン作用で死亡率を高める!

臭素系難燃剤(PBDEs)、有機リン系難燃剤(OPFRs)のいずれもエストロゲン作用を持つため、発ガン、メタボリック・シンドローム発症、神経毒性、生殖毒性などを持ちます。

 

 

難燃剤の血中濃度が高いほどがん死亡リスクが300%上昇します。

特に、食品に触れる製品や子ども向けの玩具、哺乳瓶、ソファ、カーテンから難燃剤が検出されていることは、深刻な問題と言えます。

参考文献

・In Utero and Childhood Polybrominated Diphenyl Ether Exposures and Body Mass at Age 7 Years: The CHAMACOS Study. Environ Health Perspect. 2015 Feb 27;123(6):636–642.

 

・Assessing oestrogenic effects of brominated flame retardants hexabromocyclododecane and tetrabromobisphenol A on MCF-7 cells. Folia Biol (Praha). 2011;57(1):35-9.

 

・Health toxicity effects of brominated flame retardants: From environmental to human exposure.Environ Pollut. 2021 Sep 15;285:117475.

 

・Effects of brominated and organophosphate ester flame retardants on male reproduction. Andrology

. 2020 Jul;8(4):915-923

 

・Potential estrogenic effects of phosphorus-containing flame retardants. Environ Sci Technol. 2014 Jun 17;48(12):6995-7001.

 

・In vitro estrogen-disrupting effects of organophosphate flame retardants. Sci Total Environ. 2020 Jul 20:727:138484.

 

・Lifestyle factors and urine levels of organophosphorus flame retardants in endometrial cancer: insights from a case-control study.Environ Health Prev Med. 2024;29:63.

 

・Implications of estrogen receptor alpha (ERa) with the intersection of organophosphate flame retardants and diet-induced obesity in adult mice.J Toxicol Environ Health A. 2022 May 19;85(10):397-413.

 

・From e-waste to living space: Flame retardants contaminating household items add to concern about plastic recycling.Chemosphere. 2024 Oct;365:143319.

 

 

特に黒色プラスチックに汚染が集中

電子機器の黒色プラスチックはリサイクル時に染料で色調整されることが多く、この過程で難燃剤が残留したままキッチン用品やおもちゃなどに再利用されます。

 

 

黒いプラスチック製のヘアアクセサリー、キッチン用品、おもちゃ、 事務用品への混入が確認されています。

 

 

黒色プラスチック製品の85%から難燃剤が検出されています。

 

 

 

家庭用品に忍び寄る難燃剤!

調理用へらや食品容器から食品への溶出(特に脂肪分の多い食品で顕著)、乳幼児がおもちゃを口に入れる行為による経口摂取などによって直接接触による曝露があります。

 

 

 

さらに、製品からの揮発(室温でも臭素系難燃剤(PBDEs)がプラスチックから空気中に放散)やダスト吸着(難燃剤がハウスダストに吸着し、呼吸や皮膚接触で摂取)などでも日常的に暴露しています。

 

 

キッチン用品や部屋のダスト(ほこり)経由による暴露が大半を占めています。

 

参考文献

・From e-waste to living space: Flame retardants contaminating household items add to concern about plastic recycling.Chemosphere. 2024 Oct;365:143319.

 

 

 

プラスチックはリサイクルすべきではない

電子機器のプラスチックがリサイクルされる過程で、難燃剤が家庭用品に紛れ込んでいる事実は深刻です。

 

 

特に、食品に触れる容器や子ども向け製品に有害物質が含まれているケースは大きな懸念材料です。

 

 

 

今回は、家庭での難燃剤の汚染を中心にお伝えしましたが、リサイクルの過程で廃棄される難燃剤などの毒性成分は日々環境(水質、土壌など)を汚染しています。

リサイクルの過程で有害物質が再利用されることを防ぐ規制はほとんどなく、事実上の話し野放し(のばなし)状態です。

その理由は、世界の権力者が運営する石油業界とプラスチック業界が、1980年代から1990年代にかけて、プラスチックリサイクルが持続可能な解決策であると誤って宣伝するキャンペーンを展開したからです。

 

 

 

これは規制回避と消費者への誤誘導を目的としており、実際にはリサイクルが経済的にも環境的にも効果的でないことを知りながら行われました。

米国では、アメリカでは、Waste Management Inc.やRepublic Servicesといった大手廃棄物処理企業(産廃業者)が、リサイクル市場を支配しています。

 

 

 

日本でも大手飲料メーカーや地域の産廃業者による廃棄物処理は利権化しています。

 

参考記事
・『Big Oil, Plastics Industry Led ‘Campaign of Deception’ to Push Recycling Fraud』Common Dreams, Feb 15, 2024

 

・『Monopoly and the U.S. Waste Knot』 The Institute for Local Self-Reliance, Dec 4, 2018

 

 

プラスチックをリサイクルすべきではなく、プラスチックを使わないライフスタイルへの転換が自然とわたしたちの心身の健康と安全を守ることにつながります。

 

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