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『ブドウ糖VS抗生物質〜リアルサイエンスシリーズ』

『ブドウ糖VS抗生物質〜リアルサイエンスシリーズ』

 

私たちが「感染症」と聞いて思い浮かべるのは、抗生物質で細菌(バクテリア)を撃退する現代医学の姿です。

 

 

 

抗生物質は一時的には効果を発揮しているかのように見えます。なぜなら、常に感染症では長期間投与されています。

 

 

そのような状況では、自然に回復したのか薬が作用したのかを区別がつかないからです(この区別を調べるのは、二重盲検ランダム化比較試験をやるしかない・・・・後日詳細をお伝えします)。

 

 

 

感染症に漫然と使用される抗生剤の裏側には、私たちが見落としている危機が潜んでいるのです。

 

 

その危機とは、「耐性菌」の増加。

 

 

 

抗生物質が効かないバクテリア――耐性菌は、一度出現すると次々と新たな抗生物質への耐性を獲得します。その結果、医療現場では「最後の手段」とされる抗生物質すら効果を失い、打つ手がなくなる現実が迫っています。

 

 

 

実は、病院で生命を落とす原因となる深刻化している「院内感染」の多くも、この耐性菌によるものです。

 

 

 

酪農業界が示す「ブドウ糖」の可能性

この難題に一筋の光を投げかけたのは、意外にも酪農分野での研究でした。

 

 

 

乳牛が抱える「子宮中隔炎」という病気――これは、泌乳後21日以内に発症し、発熱や痛み、乳量の低下など深刻な症状を引き起こします。従来、この病気にも抗生物質が投与されていましたが、やはり耐性菌が発生し、薬が効かなくなる問題が発生していました。

 

 

ここで行われた画期的な実験が、「ブドウ糖(デキストロース)」を用いた治療です。具体的には、高濃度のブドウ糖を乳牛の子宮内に注入することで、抗生物質治療と治癒率を比較しました。その結果は驚くべきものでした。

・抗生物質と同等の治癒率を達成

・耐性菌の発生を抑制

・人工授精による妊娠率の向上

 

 

例えば、2012年の研究では、子宮内に高濃度のブドウ糖を注入した乳牛の治癒率は抗生物質と同程度であることが示されました。

 

 

参考文献

Effect of intrauterine dextrose or antibiotic therapy on reproductive performance of lactating dairy cows diagnosed with clinical endometritis. J Dairy Sci. (2012) 95:1894–905.

 

 

 

さらに2024年の研究では、50%ブドウ糖溶液を3日間注入した場合でも、抗生物質と同等の効果が確認されています。

 

参考文献

Use of intrauterine dextrose as an alternative to systemic antibiotics for treatment of clinical metritis in dairy cattle: a microbiome perspective. Front. Vet. Sci., 16 December 2024

 

 

 

さらに、近年問題となっているフッ素系の抗生剤などの薬自体がもたらす独自の副作用もあります。

 

 

これらの成果は、「ブドウ糖」というシンプルな物質が、耐性菌を生むことなく、安全かつ効果的な治療法になり得る可能性を示しています。

 

 

 

抗生物質に代わる未来の治療へ

抗生物質は効果がある一方で、副作用や細胞毒性といった問題も伴います。それに対して、ブドウ糖は自然界に存在する物質であり、人体にも馴染み深く、副作用の心配がほとんどありません。

 

 

 

 

さらに本質的な内容になりますが、「感染症」は本当にバクテリアによって引き起こされるのでしょうか?

 

 

 

これも、現代医学が提唱する「病原体仮説」に基づく一つの解釈に過ぎません。実際には、感染症と呼ばれる状態の多くが「宿主の免疫力低下」が原因だと考えられています。

 

 

 

細菌(バクテリア)は、感染症という結果にただ同席しているだけの被害者かも知れません。

 

 

 

もしブドウ糖が人間にも同じように効果を示すとしたら――耐性菌を作らず、副作用もなく、しかも安価な治療法として、多くの命を救う可能性を秘めています。

 

 

これからの医学の在り方を根底から変える一歩となるかもしれません。

 

 

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