世の中には、記憶力の良い人やすぐに物事を理解できる人がいる一方で、なかなか物事を覚えられない、あるいは飲み込みが悪い人が存在します。
私は後者の方で、記憶や物事の飲み込みに時間がかかるタイプです。
いったい、その差は、どこに由来するのでしょうか?
かねてから、その差は、物事を空間、つまり三次元で捉えられるか、あるいは平面の二次元で捉えられるかの違いによると考えていました。
空間認識の高い人(三次元)は、記憶力も良く、物事の飲み込みも速い傾向があります。すなわち、器用、あるいは才能がある(天才)と言われている人たちです。
その一方で、空間認識の低い人(二次元)は、記憶力は高くなく、物事の飲み込みに時間がかかります。ただ、それを自分で知っているので、地道に努力するタイプが多いです。論理的であり、指導者にはこちらのタイプが向いています。
さて、最新の研究で、私のこの仮説を補強する結果が報告されています(Aphantasia and hyperphantasia: exploring imagery vividness extremes. Trends in Cognitive Sciences, 2024; DOI: 10.1016/j.tics.2024.02.007)。
この研究では、記憶力が低い人は、物事を頭の中でビジュアル化(視覚化)できない人(aphantasia)であることが指摘されています。つまり、物事を生き生きとした空間で再現(三次元化)できないということです。
この頭の中で物事をビジュアル化できないという特質は、自閉症やサイエンスの研究者に多い傾向にあることも指摘されています。
物事をビジュアル化できないと、物事の全体像が掴めないので、どうしても関心が狭くなっていきます(物事の視点や視野が限定される)。
現代のサイエンスがあまりに細分化して、自然・宇宙の原理からどんどん離れていっているのは、物事の全体像を掴むことが良しとされていないからです(ファクト・エビデンスより資金を出した人に対する忠義が重んじられる)。
ただし、自閉症の中でも高機能とされるアスペルガー症候群の中に、記憶力が飛び抜けている人(映画「レインマン」)がいますが、たいていは論理性が優れている人が多い印象があります。
物事のビジュアル化できない人でも、夢の中ではビジュアル化できる人もいます。
記憶や物事の理解を高めたい場合、三次元のイメージを思い描く練習をすると良いかも知れません(^_−)−☆。