現代医学の治療法は危険といいながら、現代医学と同じ思考で同じ化学合成物質を投与している代替医療家のグループがたくさん存在しています。
そのグループの中でも愛用されているのが、ビタミンやミネラルの注射やサプリメントです。
多種類のビタミンとミネラルを配合したマルチビタミン・マルチミネラルサプリメント(multivitamin-multimineral (MVM) products)は、サプリ大国のアメリカでも最も売れているサプリです。
このサプリは、栄養不足(真の栄養不足)が常態化している現代人には、健康効果をもたらすものと思ってしまいます。
しかし、過去の研究では、これらのマルチビタミン・ミネラルのサプリメントによって、ガン、心臓血管疾患、認知症などの予防効果が認められないことが報告されています(Enough is enough: Stop wasting money on vitamin and mineral supplements. Ann. Intern. Med 159:850–51)(Vitamin and mineral supplements in the primary prevention of cardiovascular disease and cancer: An updated systematic evidence review for the U.S. Preventive Services Task Force. Ann. Intern. Med 159:824–34)。
むしろ、マルチビタミンやミネラルの過剰摂取によって、副作用が出ているケースが多数報告されています。
これは、たとえ水溶性のビタミンであっても副作用が出ます。たとえば、マルチビタミンの過剰摂取によって、ビタミンB6過剰による慢性の多発性の神経障害が起こります(Vitamin B-6-Induced Neuropathy: Exploring the Mechanisms of Pyridoxine Toxicity. Adv Nutr. 2021 Oct 1;12(5):1911-1929)([Sensory disturbances caused by multivitamin preparations]Ned Tijdschr Geneeskd. 2005 Nov 12;149(46):2541-4)。
脂溶性であるビタミンEの過剰では、骨折のリスクを高めたり、先天奇形が発生したりすることが報告されています(Excessive dietary intake of vitamin A is associated with reduced bone mineral density and increased risk for hip fracture. Ann Intern Med. 1998 Nov 15;129(10):770-8)(Teratogenicity of high vitamin A intake. N Engl J Med. 1995 Nov 23;333(21):1369-73)。
同じ脂溶性であるビタミンEの過剰では、出血傾向、下痢、筋力低下、視力低下、性腺機能低下などの発生が報告されています(Present Knowledge in Nutrition 7th Edition, International Life Sciences Institute-Nutrition Foundation; 1996)。
拙著や過去記事でもお伝えしていますが、ビタミンEやビタミンAの前駆体であるベータカロテンの臨床試験では、逆にガンの発生率や総死亡率が高くなったことはあまりにも有名です(Randomized trial of antioxidant vitamins to prevent acute adverse effects of radiation therapy in head and neck cancer patients. J Clin Oncol. 2005 Aug 20;23(24):5805-13)()(Meta-analysis: high-dosage vitamin E supplementation may increase all-cause mortality. Ann Intern Med. 2005 Jan 4;142(1):37-46)(The effect of vitamin E and beta carotene on the incidence of lung cancer and other cancers in male smokers. N Engl J Med. 1994 Apr 14;330(15):1029-35)(Effects of a combination of beta carotene and vitamin A on lung cancer and cardiovascular disease. N Engl J Med. 1996 May 2;334(18):1150-5)。
最新(2022年度)の米国予防医療専門委員会(the US Preventive Services Task Force (USPSTF))でも、心臓血管疾患やガンの予防としてのマルチビタミン(あるいは単独のビタミンサプリメント)の効果は不明としています(Vitamin, Mineral, and Multivitamin Supplementation to Prevent Cardiovascular Disease and Cancer: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement. JAMA. 2022 Jun 21;327(23):2326-2333)。
マルチミネラルサプリメントには、昔から特に脳と赤血球に悪影響を与える鉛の汚染が問題になっています(Lead in Mineral or Multivitamin-Multimineral Products. Ann Pharmacother. 2022 Mar;56(3):339-345)。
近年では、マルチビタミン・ミネラルサプリメントに限らず、超加工品であるサプリメントでは、化学合成や植物抽出のいずれの場合にもある一定のコンタミネーションが問題になっています(Contaminants: a dark side of food supplements? Free Radic Res. 2019;53(sup1):1113-1135)。
現代の環境汚染の加速を俯瞰すると、これから私たちの口にする食材は超加工品であるサプリメントに負けず劣らず様々な毒性物質の汚染に侵される可能性が高いです。
サプリメントも含め、しっかりとした成分分析がないものは、むしろ危険です。
ちなみに、これらのサプリの大手メーカーの後ろには、ファイザーなどの♨️グローバル企業が控えています。
まずは意味のないばかりでなく、悪影響すら与えかねないサプリメント類を再検討してみましょう(^_−)−☆。