私は小さいときから、水と高いところ(高層ビル)および階段の降りが苦手でした。
前世で水(あるいは子宮内の羊水)に溺れたり、高い階段から落下したりしたのではないかと思っているくらいです。
幼児のときに、登って遊んでいた藤棚から落下して頭を縫う大怪我をしたことはいまだに覚えています。
このような恐怖心は、自分の思考・行動に制限をかけ、自らの可能性を萎縮させてしまいます。
外傷後ストレス症候群(PTSD)は、日常生活に支障をきたすほどの恐怖がいつまでも持続する典型的な状態です。
その恐怖心はリアルサイエンスで見ると、どこから来るのでしょうか?
最新の研究で、やはりセロトニンによる過剰刺激によって恐怖をいつまでも保持しているようになることが分かりました(Constitutive 5-HT2C receptor knock-out facilitates fear extinction through altered activity of a dorsal raphe-bed nucleus of the stria terminalis pathway. Transl Psychiatry. 2022 Nov 19;12(1):487.)。
この実験では、音と不快な電気刺激を組み合わせたものをマウスに暴露させています。
セロトニン過剰ラットのケースでは、音を聞いただけで、電気刺激が来ると思って凍り付きます(freezing)。
つまり、恐怖がいつまでたっても消えない状態になります。
一方、セロトニンの作用をなくしたマウスでは、音を聞いただけでは、行動に変化が出ませんでした。
これは恐怖を捨て去る(unlearning)学習ができたことを意味しています。
私も最近は、自分で水に対する恐怖を分析し、水に浮くことおよび息継ぎができるようになってようやく克服できました。
これもやはり、分析し、克服、つまり学習しようとするエネルギーがその源泉になります。
糖のエネルギー代謝が高まれば、セロトニン合成が低下します。
逆にセロトニン合成が高まれば糖のエネルギー代謝は低下します。
恐怖心を克服するためには、やはり糖のエネルギー代謝を高めて、エネルギー総量を増加させる必要があります(^_−)−☆。